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2013年2月 9日 (土)

ヘリコプターの飛行の原理 その6

3軸ジャイロ(3G

 

スタビライザーは非常に巧妙な仕組みで、メカ好きにはたまらない精巧さがあるが、単純に飛ぶことだけを考えれば単純な仕組みで済ますことができればそれに越したことがない。

水平方向(ヨー軸)の回り止めが電気仕掛けのジャイロで制御しているのならついでに、スタビで制御している、2軸(前後と左右=ピッチとロール)もジャイロで制御することを考えて当然である。

スタビライザーは精巧な仕掛けであるが、飛ぶことだけを考えたら余分な負荷である。本物のヘリがその大きさからスタビ無しでも何とか操縦できることがわかってから急速にスタビ付きの機体がすたれて行ったのと同じことが模型でも考えられる。

それに模型ではスタビの機構は本物より精緻である。

ジャイロセンサーは大量に使われだしているので安価だし、この程度の処理をこなせるワンチップマイコンは秋月で買っても数百円も出せば十分である。おまけになんとなく性能が高そうなので高く売れそうなのでちょっとした頭があればメーカーが飛び付くのは当然である。

 

しかし、本当に高い性能を持っているかどうかは、見掛けだけでは全く分からない。

特にまともに飛んでいる状態を知らないので下手をすると、滅茶苦茶飛ばしにくい状態で飛ばしているかもしれないという点を少しは疑った方が良い。

トイヘリのスタビはともかく、Alignなどのちゃんとしたスタビは、リンクが十分軽く動くようにするなどのちょっとした注意だけで完璧に動いてくれる。

一方、電気仕掛けの3軸ジャイロのほとんどが、地面から早く離れないとジャイロの利きを正常に判断できない。

接地している間は地面からの反力で舵の利きが正常に働かないためである。

また、ヘリの重心周りのバランスや機体の剛性が十分でない時も、期待通りに働くとは限らない。メカ式のスタビは、ローターの軸でほぼ直接センシングしている為、利きが素直である。

 Alignのまじめなエンジニアには悪いが、Align3軸ジャイロは初心者には、そしてスケールモデルに取ってその性能を生かすのは難しい。もちろんAlignのエンジニアが見てくれた機体は、完璧に仕上がって3Dなどの演技においてはすごいパフォーマンスを発揮するが(自分にはそれを判定する腕は無いがトップクラスのフライヤーが感心しているので)、問題は初心者をはじめとする多くの人は彼らほどの腕を持っていないということである。

また3軸ジャイロの多くは、プロポの表のサブトリムを使うとサブトリムを電源を落とす前に0に戻さない限りオフセットが蓄積されてある時突然リミットを越えて制御できなくなるという恐ろしいことが起きる。

このせいによる不可解とされた墜落を何回見たことか。最初は誰もこのことに気付いていなかった。

しょっちゅう機体の状態をベストに保ように機体をメンテする人にとっては無縁のことかもしれないが。

また3軸ジャイロはパソコンを使って細かい設定をできるのが多いが、実際の飛びとどういう関係があるのか作った人でさえ理解しているのか疑いたくなる。3軸ジャイロのソフトも所詮は人間の作るソフトなので細かいところはそれほど真にロジカルとはかけ離れていてパソコン的な制限のもとでの整合性さえ怪しいと思った方が良いと思う。良くあるなんとなく動いている、たまたま動いていて良かったね。問題が出ればその時はそのときねっていうのがほとんどのソフトである。

 とはいえ考えてみたら、自分の持っている機体は3機とも3軸ジャイロである。ただし、Alignのジャイロは2個持っているが、2個とも使っていない。JR2個、マイクロビーストが1個である。特にJRのは設定が簡単で滅茶苦茶安定している。3Dの人にとって使い易いかどうかは判定できる能力を持っていないが、どこまで飛んで行っても姿勢が乱れることは無く、安心して飛ばせる。一度スケール機を組立たら壊れない限り分解したくないずぼらな性格の私に取ってJR3軸ジャイロは価格以上に価値がある。マイクロビーストもそこそこ安定しているかもしれないが設定が面倒臭い。フタバの3軸も見ているとかなり安定しているが、フタバな人は設定で悩んでいる場合が多そうであるがもともと鉄道ファンの私としてはフタバのセットの評価はできない。

スケール機は3軸ジャイロにするとマストの高さを低く出来(スタビは、ローターが大きく傾くのでその分機体と距離を保つ必要がある)、また多少は、浮きが良くなるかもしれない。

メカもシンプルでメンテも楽である。命がかかっているわけではないのでヘリに慣れてきたら3軸ジャイロに機体を託すのも良いだろう。

 

しかいやっぱり初心者にはスタビ付きの方をお勧めする。ヘリを操縦するうえで本質的でないことで惑わされずに済む。今の良く出来たスタビは仕組みが複雑でも安定性でも舵の効きでも非常によく出来ている。

 そのうち3軸ジャイロが当たり前になる前に


なお、念のため言っておくがAlignの3軸ジャイロの性能が悪いというわけではない。私からみれば神業としか言いようがない操縦をするような人はAlignの人に整備してもらって感心していた。Alignのエンジニアもすごくいい人たちである。)

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コメント

3軸ジャイロの目的は、「自動的に当て舵を打つ、それもきめ細かく」ということになりますね。
ヘリの3軸の角速度を短時間で計測し、補正の舵を懸命に打ってくれる装置、と考えると簡単かもしれませんね。
当然、プロポからは、UP-DOWN等という舵の信号が入ってきますが、ヘリが、それ相応の角速度になるようにスワッシュを傾けるわけです。

スタビレスヘリの最大のメリットは、「効率よく揚力を発生してくれる」ことですね。
スタビライザーは、エンジンやモーターのパワーの約3割を消費してしまうそうで、スタビレスにすれば、その3割分、ロスがなくなり、浮きがよくなる、というわけです。

3軸ジャイロは、コストからみてデジタルコンピューターで制御しているでしょう。
このマイコンってやつは、累積誤差が出ない代わりに有限な数しか処理できません。
複雑な処理は苦手ですが、簡単な計算なら飽きもせずに驚くほど高速に処理してくれます。
一方ジャイロセンサーのセンシング周波数はそれほど高くはなくせいぜい100Hzくらいのものじゃないかと思います。マイコンから見れば計算する時間は有り余るほどあるので、風が吹いても瞬時に(と言ってもセンシング速度以下だが)元の向きに舵をきり、おまけに揚力はピッチコンとロールなのでレスポンスもなかなか良い。
となると、重心のアンバランスやら、各軸の慣性モーメントの差、前進時の揚力不均衡など、ヨー方向の制御も含めていろんなことを考慮することができます。
まあ、結構な話ですが、果たしてどこの誰だかわからないのが、作ったソフトを素直に信じて良いのかって疑問も感じます。まあ、マイコンの暴走はウォッチドッグで止められますが、オーバフローとかバッファあふれとか、とんまなドジを踏む要素はそれこそ盛りだくさんなので
まあ、3軸ジャイロに懐疑的なのは、痛い目の経験も目撃も何度もしてるからですが
とはいえ、現在飛ぶのは4機持っていますが、みな3軸ジャイロですね。
台湾から来たAlignのまじめなおじさんたちにも見てもらったのにも関わらず、Alignの3軸ジャイロはすべて変えています。だってAignのはわけのわからない設定がいっぱいあるけど、JRのはPCからパラメーターをいじれないことはないが、いじってもいいんだけど、やめといた方が無難だぞっていさぎ良いので

>果たしてどこの誰だかわからないのが、作ったソフトを素直に信じて良いのかって疑問も感じます。
ははは、よく実態をご存知ですね。
誰?は、メーカーの開発者か関連する人物
になるのですが、責任はメーカーとなるので、メーカーは必死になって品質管理に従事していますね。
ウオッチドッグ云々程度の、いわゆる初歩的なバグは、開発時のテストで潰しているとは思いますよ。
スベカラク駆逐しているかどうかはなんともいえませんが、その場合、フリーズしますから、すぐわかります。
たぶん、そのレベルのバグは出荷前に駆逐していると思いますがね。

>まあ、3軸ジャイロに懐疑的なのは、痛い目の経験も目撃も何度もしてるからですが
その場合は、メーカーにジャイロに疑いありで修理依頼となりますもんね。

>JRのはPCからパラメーターをいじれないことはないが、いじってもいいんだけど、やめといた方が無難だぞっていさぎ良いので
このいさぎよさと謙虚な姿勢が、JRの優れた開発能力なんでしょうね。

初めまして 恐縮ですが教えてください

>また3軸ジャイロの多くは、プロポの表のサブトリムを使うとサブトリムを電源を落とす前に0に戻さない限りオフセットが蓄積されてある時突然リミットを越えて制御できなくなるという恐ろしいことが起きる。

このことは初めて知りました。これってソフト的なバグのように思うのですが、現時点で改善されていないのでしょうか?
Txの電源スイッチは終了時の後始末をしないでいきなり電源OFFなのですか?

バカボンのJIJI様
お分かりのことかもしれませんが、3軸ジャイロがプロポのサブトリムを覚えていないと言うのは、プロポから3軸ジャイロにオフセットの位置を伝える手段が無いことに起因します。プロポからの信号はPWMのパルス幅で位置信号を送ります。これは単に一次元的な値でそれ以上の付加的な情報は持っていません。
ニュートラルのパルス幅は1520とか1500μsecとかいう値が基準だということはありますが、失際にニュートラルを殿値に設定したかは、イニシャライズの時に送られてくる値が多分それなんだろうくらいで判断するのが多いと思います。
従ってトリムレバーを操作して回転しないようにセットしても、それがスティックの操作なのかトリムレバーによるものかは正確に判断する手段を持っていません。
まあ、風などの影響も含めてずっと同じオフセットが必要だと言うことは統計的に処理すれば、有り得ないと判断することは出来るでしょうが、確実な方法と言うよりは策を弄した方法です。
実のところトリムレバーの影響がどうなるかは、ジャイロのプログラムによっても変わります。
しかし、トリムレバーで調整した値は、プロポ側では覚えていて、受信機側では覚えていないのが普通ですから、機体の条件が同じなら、前回と同じ用にサブトリムを掛けないと同じように飛んでくれません。3軸ジャイロは、イニシャライズの時のPWMの幅をニュートラルと判断するのがほとんどだからです。
3軸ジャイロは、トリムレバーによってセンターがずれた分、より強く補正を掛けるだけです。
これを繰り返すと、そのうちトリムが端の方に行き過ぎてそれ以上の信号を送れないほどずれてしまいます。
こういった単純な原因の方が多そうです。
これに関してはバグでは無く仕様です。
ただ、実際の3軸ジャイロの中には、もっと賢く判断するようプログラムを作っているのもあるかもしれません。うまくいくばかりとは限りませんが、統計的な処理をすればセンターをずらしたいと思っていることくらいわかりそうなものです。
またニュートラルの値を固定していると簡単に考えれば、たとえば常に1520μsecがニュートラルだと決め打ちすれば、イニシャライズでもニュートラルの値は変わらないのでサブトリムの効果は毎回同じになります。

ヘリのうまい人は、みなニュートラルやピッチの調整はものすごく厳密にやっている人ばっかりのようです。
もっとも着ぐるみ式のスケールヘリは、調整が厄介で、厳密な合わせはやってられないかも知れませんね(<自分)

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