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2013年11月16日 (土)

ラジコン飛行機の力学 その3 墜落への道 後篇

次に操作上のミスを考えてみる。
これに関しては、自慢じゃないが、自分の得意分野である。うまい人よりはるかに詳しく記憶に鮮明である。
しかも河原の飛行場では、あまたの実例に事欠かない。


一番多いのは、失速に陥ってコントロール不能になり墜落するケースだろう
失速は、迎角が失速角よりも大きくなることによって発生する。速度が遅くなると失速する場合が多いが、速度は直接関係しないと考えた方が良い。失速は、あくまでも迎角の問題と考えた方が簡単である。(失速は空気の流れのはく離が主要因なのでレイノルズ数の影響を受けるので実際は速度と無関係ではないが影響が小さい)

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迎角は機体の水平に対する角度でなく、空気の流れに対しての角度である。速度が低くなると揚力が減り機首の水平線への角度を変えなければ機体が降下する分、空気は下から当たり、見かけ以上に迎角が大きくなる。
従って高速でも迎角が大きくなると失速が起きる。これは、急降下中の無理な機首上げや、水平スピンの時のように機速はあっても気流が下から来るときに発生する。
高速失速は、やや特殊な状況なのでまずは、速度が低下して失速する場合を考えてみる。
まっすぐ飛んでいれば揚力は、速度の二乗に比例し、迎角に対しオフセットの付いた比例(原点を通らない比例)に近い関係になる。
速度が落ちれば、エレベーターを操作して迎角を増やすことで高度を維持することになる。
そして迎角が失速角度に達した時点で、失速する。実際に乗っているわけではないので実機で発生すると言われる機体の振動などの予兆はわからないかも知れないが、失速したら急に機首を下げるので嫌でもわかるはずだ(ついでに斜めになる翼端失速などもある)。この急に機首を下げるというのがミソである。ちゃんとした機体は機種を下げて重力の助けを借りて地面に向かって進むことで気流に対しての失速角から回復し、また速度も得て水平飛行に戻れる揚力を得られるようになる。
従ってこの時の正しい対応は、機種が下がるのを維持することである。
もしここでエレベーターを引いて機種を上げるとますます失速角が大きくなり、失速角が大きくなると抗力も大きくなるので、パワーを掛けても速度が回復しずらくなり、機種は上を向いたままエレベーターの制御が効かなくなるまで失速しついには機首を真下に向けて加速するという悲劇の道を歩むことになる。

場合によってはお尻からそのまま落ちる場合もあるが、知らず知らずのうちにそういう状態になるようなら、機体か、自分の性格を疑った方が良い。機体の安定性から通常の機体は後ろ向きに進み続けることができない。
またラジコンの場合、パワーに余裕がある機体が多いので、極端な話、速度が0でもプロペラのパワーだけで上昇できる機体もあるので、高度が低い時などは、パワーを使った墜落回避策もあるが、ヘリと違ってサイクリックコントロールなどないので速度が遅い時のプロペラの後流だけでエルロンやエレベーターを制御するようなことになりかねないので舵の効きが悪くなる。
まあ、まっすぐ飛んでいて墜落する人は珍しいが、これが墜落の基本的な原理である。


実際には、旋回中の墜落の方が多い

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旋回することで、向きが変わり操作の方向を間違えるという単純なミスのほかに、運動の方向が変わることにより、エネルギーが消費されて、速度や姿勢の変化に対処できなくなるミスがある。
失速の原理はまっすぐ飛んでいるときと変わらない。
旋回中は、同じ速度では、翼が傾くことで揚力の一部が向心力に使われるのでその分速度を上げるかエレベーターを引いて高度を維持しなければならない。スロットルを上げてパワーを足してやらなかった場合は、確実に同じ高度では速度が落ちる。
また急な旋回ほど向心力に使われる揚力が増える。
従って失速ぎりぎりで飛んでいた場合は旋回で高度を下げたりパワーを加えるなどして速度を上げない限り失速に陥ることになる。
旋回中はパワーを加えるか高度を下げるか適宜行わないと失速にどんどん近付いて行く。

ヘリの場合は、トイラジでもなければ揚力はメインローターのピッチですぐに変わるが、飛行機の場合は主翼との大気速度で大部分の揚力を得るため、速度と空気の流れとなす迎角のコントロールというまだるっこい過程が必要になる。
ラジコンの場合、これを遠くから見て動きだけで判断しなければならない。失速警報まで出るB787でさえコントロールできないプロ(?)のパイロットがいるのだからこれはかなり難しいことである。

さらに翼端失速の問題もある。
翼端失速は、翼の形状により(主に平面形の影響が大きい。翼端では空気が前から後ろに流れるより翼端に向かった方が抵抗が小さくなる場合が多い)発生する。
失速が翼全体で起きずに翼端から起きると、風を下から受けるので迎角がますますますのでそちらに急に傾いて墜落に向かう。翼根(胴体に近い部分)から失速すれば、まっすぐ飛んでいた場合は、傾かずに素直に失速してくれる。理想を言えば翼全体から失速してくれるのが低い速度まで失速せずに済むので良いが、翼端失速よりは翼根からの失速の方がずっと対処し易い。翼端失速はテーパー翼で起きやすく矩形翼や楕円翼では発生しないはずである。もっともねじり下げといって翼端だけ迎角をねじって下げて翼端失速が起きるのを翼端で送らせて翼端失速を防ぐ方法があるので、矩形翼だからといっても翼がねじれていて、ねじり上げだったりすると翼端失速することになる。エルロンを同じ向きに曲げるとブレーキになるが、個のエルロンのブレーキは、一見揚力が減る上側に曲げるのは翼端の迎角を増やして翼端失速するのを避けるためである。
なお旋回中には、片側が下がっているので、そちらから墜落するのは当然で、翼端失速と言ってしまいがちである。本来の意味は水平に飛んでいるときに失速が翼端から始まる翼形に関することである。まあ、墜落するということから考えれば同じであるが。

高速失速
失速は直接には速度によるものでなく空気の流れる方向と翼の角度で決まるものなので高速でも迎角が大きければ、失速する。
普通に飛んでいれば失速しないような速度でも急にエレベーターを引いて機首をいきなり上げれば先に述べたように迎角が大気の流れに対して失速角度以上になり失速する。
水平尾翼が垂直尾翼の上側に付いているT 尾翼機では、同時に水平尾翼が主翼の乱れた気流の中に入り、水平尾翼の舵が効きにくくなりなおさらコントロールが難しくなる。
高速失速は機体に無理な力が掛かりがちになるので、旅客機などでは、そもそもそのようなことに至る前に空中分解するらしいが、模型では比強度が大きいので壊れずに平気で出来る。コンポ号のような機体では、急ブレーキが掛かったような状態になり、そのまま反転して降下を行えば通常の飛行に復帰する。
フランケン零は、これに下手に挑戦すると錐もみになって墜落する。速度が低いとはいえ失速するほどではないように思えても、簡単に傾いて失速するように思える。速度がどのくらいか見極められる技量は無いが、エルロンを跳ね上げて翼端失速しにくくすると墜落しにくくなるようである。この場合、翼端失速の方が問題が大きいような気もするが、下手な操作の高速失速がさらに墜落を招き寄せている場合もあるに違いない。

スピン(錐もみ)
錐もみは、片翼が大きく失速する状態である。翼端失速や、エルロンとラダーを逆向きに切ったクロスコントロールと呼ばれる状態から始まるようである。
見かけは似ているがスパイラル(スパイラルダイブ)と呼ばれるものは両翼とも失速しているわけではないのでスピンではなく簡単に回復できる。
錐もみでは、くるくる回ることで回っていく側の翼の迎角が大きくなり失速から自然に回復するのが困難になる。錐もみはまず失速から回復する手順を踏まないといけない機体によっては地面に激突するまで錐もみから逃れられない。
そのためにはエレベーターを引くのではなく押して迎角を小さくしなければならない。ラダーは中立か旋転しているのとは逆の方向に向ける。
従って十分でない高度で錐もみに陥ると回復する前に地面に激突する。

錐もみには、重心が後ろにある場合など、上向きの力が加わるとフラットスピンと呼ばれる機体がほぼ水平になって旋転しながら落下する状態になり、こうなると回復がさらに難しいとされている。
フラットスピンらしき墜落は一回しか見たことがない。

錐もみを避けるためには、錐もみに陥る状況を考えてみよう。
たとえば、着陸時にエルロンで左に切って機体を傾けてコースを変える代わりにラダーを左に切って機首を機体を水平にしたまま向きを変えようとする。そうすると左側は機体の陰になったり、後退翼の場合は、風に対しての左側の有効面積も減り、左側の揚力が小さくなるので左に傾きがちになる。そこでエルロンを右に切って機体を水平に戻そうとするとクロスコントロールになり限度を超えると錐もみになる。エルロンにディファレンシャルを付けて下向きの制限を付けていないと、左側ではブレーキは効くし、エルロンにより翼端の迎角が上昇するし、でより危険であろう。

高度があれば無理に水平にしようとしないだろうから、回復がむずかしい高度で冒し易い。

上空では上昇中など機首を上げて失速したときに、たとえば左に傾いたときにラダーを右に切ると錐もみに入り易い。

錐もみし易い機体と陥り難い機体がある。多分スケール機の戦闘機や高運動性能機の方が陥り易いとは思うが、正確なところはむずかしくてわからない。翼端失速し易い機体は錐もみ以前に墜落し易いので間違いなくむずかしい機体である。


舵の打ち間違い
もっと基本的な簡単なことを忘れていた。
単純な操作ミスである。ラジコンは外から見ているので向こうへ行く時とこちらに来る時では舵の向きと効きが逆になる。また背面では上下の操作が逆になる。
ラジコンの初心者にとっては、慣れるのに大変なことだが、不思議なものでみんなそのうち慣れてくる。またシミュレーションソフトは慣れる役に立つ。
それと、機体を遠くに飛ばし過ぎると、機体がどっちを向いているのかわからなくなる場合がある。特に最近の軍用機は見分けがたいロービジブリティとかいう、塗装をしているので余計始末が悪い。

向きがわからなくなったら、ゆっくりとエルロンかエレベーターを切ってどちらに姿勢を変えるかを見て確認する。
このとき、急な舵の操作は禁物である。急な舵の操作をしなければならないような高度であったらその時点で自殺行為である。
そんな飛ばし方をした自分を反省し人や物に危害を加えないことを祈った方が良い。

良く間違えそうな状況を予め練習しておくと良いかもしれない。人間は、思い込みが多いが、特に視覚に関しては、処理に時間が掛かるので脳は高度な並列処理と予測を使って素早い対応を実現しているらしい。神経は電気化学的な処理なので純粋な電気信号と比べて7ケタ近く遅い30~60m/sと言われている。これに脳が物体として認識するにはさらに情報処理の時間が必要である。脳は複数の処理系を持っているので(大脳に行く前に分散処理や、前処理をしている)単純な判断ですむものは処理時間が速いと考えられているが、この研究はまだまだ未解明な部分が多いので何が単純な判断かはそれほど明確になっていないかもしれない。
むずかしい話はともかく、我々の視覚の思い込みの例は注意すればいくらでも出てくる。たとえばエスカレーターに乗る時は無意識に階段の動きを予測して、実際に見た位置よりも先の正しい位置を予測できるので正しく踏み板に足を乗せることが出来るのである。
そんなことは無いと思うのなら停止したエスカレーターを思いっきり速く駆けあがって見ると良い。知恵が回る人間なら途中でおかしいと気付いてすっ転ぶ前に速度を緩めるだろう。

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飛行機が遠くに行ってシルエットになった時も、脳はどちらかの向きを向いていると勝手に決め付けている場合がほとんどである。
しかし慎重な人間なら同じようなシルエットに見えるときでも複数の向きが考えられることを学んでいるはずである。
これらのシルエットではどちらも同じような向きの組み合わせに見えるかもしれないが実は下の方に示すように別の向きの図である。それぞれふたつ並んでいるのでまだ、違いに気が付き易いが、飛んでいる飛行機をふとよそ見した後は、ひとつのシルエットに対して瞬間的にどちらの状態か判断しなければならない。

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たいがいは迷う姿勢は2種類くらいなので運を天に任せても思いっきって舵を切っても二回に一回近くは、墜落を防ぐことが出来るかもしれないが、舵の切り間違いは真っ逆さまに落ちる道や、失速に至る道に直結する場合が多いので、一旦は墜落を避けられても、速度を失って危険な状態になっている場合も多いだろう。
ここは、あわてずに試しにゆっくりと舵を切って望みの方向に動くかどうか確認するようにした方が良い。
このとき機体の姿勢によっては、エルロンでは、すぐに向きがわかり難い場合があるので、注意しよう。
人間はある程度、訓練で判断する時間が短くなるし、また適切な対処方法も学べるので、様々な場合を想定して練習すると結構役に立つだろう。
今回折角間違えやすい状況の画を作ったので、自分もイメージトレーニングをしよう。

まあそのうち、機体に付けたカメラが日本でも許可になれば日本の技術でリアルタイムで高精細度の画像や振動が再現できるようになることも期待したけれど…
(機体に付けたカメラで操縦するのは2015年12月から航空法の改正により申請して許可が必要になりました。アマチュア無線などの資格が必要ですが装置は日本でも入手できます)

アマチュア無線の取得方法
電波法に合致したFPV用送信機を入手する方法
制限のあるラジコン飛行を申請する方法



着陸の操作ミス
離陸もむずかしいが、パワーさえあれば、たとえみっともない離陸であろうと取敢えず安全な高度まで失速させずに何とか出来る場合が多いが、着陸は、否応なしに地面と衝突しなければならない。この衝突時の衝撃を許容値以下に抑えることが出来れば良い地面との衝突=良い着陸となる。ヘリのように上下も前後も速度がほぼ0で着陸という真似が出来なにので、室内機などを尻から降ろすという変な着陸以外はず、前進しながらの着陸になり、当然ゆっくりな方が悲劇は防げるが、失速もし易くなる。

ヘリはホバリング出来なければちゃんと浮かぶことさえ出来ないが、ホバリングが出来れば着陸はむずかしくない。

飛行機は逆に飛ばすのは簡単だが着陸がむずかしいのである。

着陸の操作も大事だが、初心者の場合は操作よりも機体の選択がより重要である。頑丈な機体や着陸させやすい機体を選ぶというのは着陸のたんびに機体を直したり買い替えたりして気力が萎えるのを防ぐ。

着陸に関しては、操作と機体の問題との絡みが大きいので機体の問題も同時に考える。
遅い速度で飛べる機体は、遅い速度で着陸した方が衝撃も小さいし、コントロールもしやすい。ただし速度が出ない機体では風が強い日は飛ばしにくい。

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尾輪式は、前輪式より前のめりしやすいので充分機首を上げて着陸時の加速度(減速度)で前転しないように注意が必要である。
初心者は間違ってもどこかの能天気な奴のように引込脚の零戦などから始めようと思わない方が良い。(引込脚は主脚が重心に近くなる場合が多い)

モーターグライダーのように折りたためるプロペラの機体やプロペラが胴体の上に付いている機体なら着陸脚を使わず胴体着陸でも安全である。ただし、プロペラが胴体の上に付いている機体は推力が中心からずれているので加速をするとつんのめるような力が働くのでその癖を考慮し、またグライダーは浮きが良いので、降下率が小さいので、アプローチが伸び、着陸は意外と面倒である。本格的なブレーキかエルロンを両方とも跳ねあげるブレーキが欲しくなる。。

着陸時は、速度が遅い方がゆったりと操作でき、また損傷のもととなる運動エネルギーも小さくなって速いよりも安全だが、失速する危険にも近づく。また低速では舵も効きにくくなる。風は、向かい風で着陸すると、対地速度が小さくても浮くための大気速度は大きいので、風の向きさえ間違えなければ、着陸がかなり楽になる場合が多いが、ただし、風のムラが強い日は、急に風が弱くなって墜落することもあるので注意が必要である。風の強い日はムラも大きいので、運だめしになる時が多い。
横風着陸の時も少し速度が速い方が楽なような気がする。(っていうか風が無ければ横風着陸とは言いませんでした m(_|_)m

着陸のときも飛行中と同じで速度のコントロールの基本はエレベーターで迎角を調節して、速度に見合った揚力を得ることである。ここで高度を下げるためにエレベータを下げると一時的に進行方向は下がるが高度が下がれば速度が増す。速度が上がれば揚力が増えるので高度が下がらなくなる。
従って、降下率のコントロールはスロットルで行うのが基本である。スロットルを下げることで速度が落ち、降下することで迎角が上がったり速度が増して降下率を増やすことが出来る。
エレベーターのように速攻性は無いが、ヘロヘロさせずに着陸させるには覚えておかなければいけないことである。

もっとも、ラジコンの着陸は悠長なことをしている暇もないし、ポーズボタンで一時停止することも出来ないので、エレベーターを使ってしまいがちである。おまけに横から見ているので降下率もわかり難い。
地面に激突しようとしているのにエレベーターを使うなとは言えないが、それでもエレベーターの使用は少しづつアップを引く程度のつもりの方が結局は着陸し易いのではと思う。

降下角度はやや強めの方が着陸させ易いという人が多い。高度がある方が失速の時の回復がしやすいのと、ゆるい降下角度では、遠くから危険な高度を長いこと飛ばなければならないからだろう。
良く見える位置まで近づいてから、降下速度を下げて最後の地上数十センチを長く飛ばすようにすると速度も落ち機首上げもし易くなってより安全に着陸できるように思う。
機体のよって最適な降下角度は違うかもしれないが、最後は出来るだけゆっくりと静かに着陸させたい。
引込脚の尾輪式では、さらに接地直前で失速するような機首上げ状態でないと、路面が良くないと前にひっくり返り易い。
進入コースも長い直線で入ってくるよりも自分の方へ旋回しながら滑走路上まで来る方が楽かもしれない。この方が機体の位置を早くし易い人が多いかもしれない。
自分に向かって来る機体の方が進行方向を間違いにくいので、滑走路に乗せやすい場合が多いのだろう。

コースが滑走路と外れてしまったり、また滑走路上で上昇させてしまったら無理せずもう一度やり直した方が良い。低速での無理な向きの変更も、上昇も失速に直結し易い。
着陸のやり直しは基本的にパワーは全開でゆっくり上昇に持っていき、急なエレベーター操作は失速のもとで墜落を招きやすい。
急上昇させずに墜落しない程度の高度を取って速度を稼ぐのが墜落を防ぐ王道である。
もっともフルスロットルで地面に突っ込むと被害が大きくなるので、万一墜落が避けられなければ出来るだけ被害が小さくなるようにすべきである。
機体を水平にして降下速度を下げてなんてことが出来るようなら機体の不調でもない限り墜落なんてしないので、墜落するとなったらまずスロットルを切ることである。墜落するときにプロペラが回っていて良いことなどほとんどない。
スロットルをきればプロペラの損傷は減るし、バッテリーが燃える事故も減る。
それと、墜落した場所の方角をしっかりと見極めることである。
着陸時は、機体の場所がわからんくなることが少ないが、墜落時に本人が墜落の場所をまるで見当違いにしか覚えていない場合が非常に多い。
距離は当てにならないが、方角は意識すれば正確に覚えられる。
墜落して慌てて走り出すとその向きも怪しくなるので、まずは向きをしっかりと見極めることである。
見ている人も下手に動かず向きをしっかりと覚えておく。二人の方角の好転が墜落した場所である。
2,3秒遅くなっても被害が拡大することは、ほとんどないので墜落時の心得とすべきである。
なお、着陸は風上に向かって行うのが基本である。
風下への着陸は格段にむずかしくなる。

ラダーが付いていれば、斜めの風に対しての着陸も出来る。エルロンだけでも機体を傾けて微調整を行い、流される分だけ機首を進行方向から横に向けて着陸までは出来ないことは無いが着陸後は思うように滑走しにくいだろう。まあ着陸さえできれば取りに行けば良いだけのことである。(そのほうがメタポ的には健全な発想かもしれない)


フレア
着陸時は接地直前に機首を上げて、降下速度をゆっくりにして、接地時の降下速度を0に近づける。これをフレアと呼ぶ。
理想を言えば、降下速度が0になった瞬間に設置し、なおかつ速度が失速速度まで落ちていることだろう。しかしフレアを効かせ過ぎると速度が遅いくせに上昇してしまい、着陸が格段にむずかしくなる。充分に長い滑走路でもない限りは、水平飛行か地面にぶつからない程度に機首を下げながらフルスロットルで速度を稼いでから着陸やり直しに移った方が良い。
意外とフレアは、むずかしいが、引込脚式の機体では、脚を直さなければいけなくなるかどうかの境目になりがちな重要なことである。特に尾輪式では、地面に近くなければ失速するような角度まで機首を上げないと前転するような路面や脚の位置である場合が多い。

また尾輪式の機体では、接地時速度が速くて降下速度が大きいと、接地の勢いでお尻が下がりそのため迎角が上がってふらふらと再上昇することがある。いつもの滑走路が地面なので勢い設置すると急ブレーキがかかって前につんのめるのであまり見ないが、リアルフライトシミュレーターのP51は、良く、このバウンドをする。下手をすると何回もバウンドする。万一してしまったら操縦桿を押してバウンドを抑えろと何かに載っていたが、リアルフライトなら簡単である。何しろ間違えても赤いボタンをぽちっと押せば、何事もなかったかのように滑走路の端に機体が戻っている。
まあ、設置時の降下速度を下げるか、機首上げ姿勢を取れるほど速度を起こせばいいのだが、もしこうなった場合は、やはり着陸やり直しが基本である。
もっともリアルフライトでは、もう一度回ってこずに、そのまま着陸の練習を続けても、実害は出ないが、実際のラジコンや実機には、赤いボタンが無いことを理解しなければならない。

フラップ
フラップは、揚力を上げると同時に抗力も増える。模型の場合は、元々離着陸の長さはさして長くないので、それほどなくて困るものでもなく、いらないというひとも結構いる。特に小さい機体は不要だと言われる。
実機でも yak54 や EXTRAシリーズなどの小さくてアクロバティックな機体には付いているようには見えない。
しかし、零戦がフラップ無しで着陸するなんて、脚が出っぱなしで飛んでいるのと同じくらいおかしい。
特に、今は、受信機はデジタルで電波を受けるのでチャンネルを増やすのに昔と違って売値はともかく実際の製造コストは、コネクタが増えることを除けば大して高くなるわけではないし、サーボも安くなったので小さめの機体でもフラップを付けられる。折角付いているので、いきなりフラップを大きく降ろさずに小さめに設定して、効果を試しながら使ってみるのも良いだろう。機体にももよるが、着陸速度が下がるためか、意外と着陸させやすい機体も多い(Big Zeroなど)。
フラップを降ろすと翼の翼形が大きく変わることになる。実際のフラップは複雑な形状が多いが模型の場合は後縁側が単純に曲がるだけの単純フラップや零戦のように下半分だけが開くスプリットフラップが多い。単純型は翼の厚みが増えた(キャンバーが増えた)効果になる。スプリット型は、上面の負圧が増える効果もあり、より揚力が増えるが抗力も著しく増えるようである。抗力が大きいということはブレキーとして使えるので着陸時は都合が良いかもしれないが離陸時には不利である。

エルロンを両方下げるとフラップのようになるが、上で述べたように翼端側は翼端失速の原因になるので、翼端にしかエルロンの付いてない機体(翼全体にエルロンが付いている機体もある)ではやらない方が良い。エルロンを両方上げることは良く行われるが揚力が大きくなるわけではなく、翼端の迎角が下がることで揚力が下がり降下率が上がる。グライダーなどの場合は着陸時浮きが良すぎるので着陸させやすくなる。翼端失速し易い機体では、翼端失速しにくくなるので意図的に行う場合もある。

フラップを大きく降ろすとかっこいいが、翼形も大きく変わるので揚力係数だけでなく、抗力係数も空力中心も大きく変わるかも知れないと考えた方が良い。空力中心が前に移動する場合はまずないと思うので、重心の問題で制御不能になることは少ないと思うが、それでも急に上昇したり、場合によっては逆に頭を下げたりする場合があり、失速もしやすくなる場合も考えられるので、まずは安全な高度で少しずつ試してみた方が良い。

急なフラップは急な姿勢変化をもたらすかもしれない。フラップはいきなり降ろすのでなくゆっくり降ろす。ゆっくり動くサーボを使わなかった場合は、プロポの設定を使ってでも開く場合とたたむ場合の両方とも遅くした方が良い。模型なので1~2秒も掛ければ十分だろう。それだけあれば墜落を防ぐ操作は出来る。
フラップを入れるとフラップのせいで水平尾翼に当たる風がより一層下向きになり水平尾翼が下向きに押されて、頭を上げる場合が多いのでミキシングでエレベーターのダウンを入れても良いかもしれない。浮きが良くなったというよりもエレベーターを引いた状態に近くなることを抑えるためなら、素直なミキシングである。

ラジコンは元々浮きが良いのでフラップの効果もスケール機などを除けばほとんどブレーキの効果の方が大きいかもしれない。


離陸
離陸は如何にまっすぐ滑走させて速度を稼ぐかである。
浮きが良くてパワーがあれば、よくある左に曲がりながら急上昇することも可能であるが、スマートではない。急な離陸でもまっすぐ離陸する場合はちゃんとコントロールされている。

離陸時は風の影響で機体は風上を向こうとする。この力は意外と大きい。
そうでなくても尾輪式は、離陸時はプロペラが上を向いて滑走の向きと角度が付いているので右と左の風を受けるピッチが異なり普通の回転方向だと右側の推力が大きくなって左に曲がる力を受ける。
離陸は風上に向かって行うと機首が風上に向く力(風見鶏効果)も加わり簡単になる。慣れればラダーを駆使して横風離陸に挑戦するのも面白い。速度とともにラダーをまっすぐに戻して行く。理屈がわかれば慣れるのも早く意外と簡単である。
尾輪式では、早めにエレベーターをちょっと下げて(押して)尻下がりから水平にすると、実機らしくなる。模型ではパワーが大きいので離陸距離が短くなるわけではないが、少なくとも離陸時に過大な迎角になって急上昇することなく、ゆっくりと上昇できる。

ラダーが付いていない機体では、横風の離陸はかなり難しい。
素直に風に向かって離陸するか、手投げにしないと、向きのコントロールが出来ない場合が多い。
離陸は、上空を飛んでいるときよりは、むずかしいとはいえ着陸よりは簡単である。
パワーのある浮きの良い機体なら、かなり汚い離陸でも失速せずに強引に離陸させやすい。しかし、パワーのない機体でも離陸させられるようなきれいな離陸を練習すべきである。そうでないとスケール機をいつまで経ってもかっこよく飛ばすことができない。
離陸の注意点は、まっすぐゆっくり上昇するように心がけることである。
滑走しないで手投げの場合は、出来るだけ勢いを付けるか高いところから投げることである。初速や高度によっては、上昇する前に地面にぶつかるかもしれないからである。
特に重い機体は、これを忘れて一回目の数メートルの飛行で修理が必要になる人が多い。
尾輪式の機体、とくに引込脚をもつものは、離陸の滑走に入るときは、エレベーターを一杯に引いておくと、仮に石などに、けつまずいても引っくり返りにくい。
状態の良い恵まれた滑走路をいつも使えるのでも無ければ、ゆっくり滑走している間はエレベーターを引いておくこしたことはない。
ただし速度が出てきたら戻さないと、中途半端な速度で離陸して失速することになるので注意。
失速気味で離陸すると、舵も効かなくて、下手に頑張ると機体が右に左に暴れて恐ろしいことになる時がある。

まとめると、出来るだけ風上に向かってエレベーターを引いてラダーに気を使ってタキシング開始、離陸開始地点に来たらスロットルを多少ゆっくりとフルスロットに上げて行きながらエレベーターを戻す。その間ラダーで向きを整え続ける。尾輪式は、速度が乗ってきたら尻を上げて充分加速してからゆっくりとエレベーターを引いて離陸である。尾輪式は尻をついたまま離陸しないように注意すること。
また、尾輪式は、滑走開始時に上を向いているためプロペラのピッチが左右で異なり推力不均衡が出るので急なフルスロットルは左に(右回転プロペラの場合)強く曲がる原因となる。
離陸時には、特に尾輪式は、ラダーをよく使わなければならないが、日本のプロポはラダーはエレベーターと同軸なので慣れが必要だろう。理屈がわかれば、機体別の対処もしやすく、そのうち慣れ、よほどぼーっと飛ばさない限り離陸で失敗などしなくなる。

フライトシミュレーターで機体の特性をいじれれば、この練習ができるだろう。リアルフライトの場合は
を参照してもらいたい。
赤いボタンをぽちっと押すだけで離陸だけは、続けて練習できる。離陸させた後も、すぐに急な舵を切ればたちどころにきりもみに陥り、着陸は速度を落とし過ぎればすぐに失速し、着陸したら下で前のめりに引っくり返る。

20131116_005116

20131116_005402

なぜそうなるのかは、良くわかっているわけではないが、コツは機体の設定でViecle Pysical Scale(%)の値を小さくすれば良い。デフォルトの100%では、凄く飛ばしやすいが、これを75%くらいに落とすと、かなりフランケン零に近づく。ひょっとしてエンジンなどいじっているかもしれないのでその設定を載せておく。

2016/01/27 あまりにも多い誤字脱字、文の乱れの一部を修正。ついでにFPV、離着陸の記事も修正

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