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2014年6月29日 (日)

横風離着陸

前回お約束した横風離着陸である。

もっとも横風離着陸でなくても、正しい離着陸はむずかしいので、まずは正しい離着陸からである。
正しい離着陸は、滑走路からまっすぐ飛び立ち、滑走路にまっすぐ降りて来ることである。言うのは簡単だが、きれいに実行するのは難しい。
最近のラジコン機はパワーがあるのでロケットスタートで左に曲がりながらの離陸なら初心者でも比較的簡単にできるが、パワーで機体を吊って上昇させているようなもので離陸としては、失速での墜落と背中合わせで、ちょっとしたバランスの崩れで失速して墜落する危険な場合が多い。失速時の操作を間違えると左側だけに墜落するとは限らない。
離陸の基本は、ちゃんと滑走路に対しまっすぐコントロールして充分に加速して安全な速度と角度で上昇していくことである。
ロケットスタートできる機体なら加速も良いので短い離陸距離で加速してすぐ急上昇に移れるが、スケール機はやはり長く滑走させてゆっくりと上昇する方がかっこいい。

飛行機の場合は、物理現象としては単純だが、空中に浮かぶということが人間の普段の生活体験と異なるため、その特徴を理解するためには、慣れだけでなく知識も必要である。

この基本的なところは本ブログの ラジコン飛行機の力学 の項でも述べている。

その中でも最低限「揚力」や「安定性」に関わる項目を良く理解しておくことが、墜落させずに飛ばすことに役立つ。
多分、一番理解されていない重要なことは

失速は迎角だけでほぼ決まるということだろう。
ただし失速は翼の全ての部分で同時に起きるわけではない。
また、迎角は、空気の流れに対するもので、機体の向きとは無関係であるということを完全に理解していなければならない。
この点を正しく理解しないで、単純に速度が低いから失速すると思っていては、アシアナのパイロットと同じで、失速の危険から正しく回復できずに墜落を繰り返すことになる。
速度が低いと揚力が減るので普通は降下速度が大きくなって機体は同じ向きをむいていても迎角は速度が高いときよりも増えるので、そういう勘違いを起こしやすいのだろう。
失速は速度が速くても迎角(=大気速度の方向と翼弦がなす角度)が失速角を越すと一気に始まるのである。失速を起こすと揚力が減り抗力が増すので一気に速度が減り。速度が減ると揚力も減るので墜落への道を進むことになる。失速を利用すれば一気に速度を落とすことが可能である。
そのあと機首を下げて失速角よりも迎角を下げ速度を上げるなどして失速から回復する必要がある。もし失速が地面のすぐ上で起こせたら、零戦の空母への3点着陸のように甲板のすぐ上で失速して安全に短距離で着陸できる(むずかしいけど)。


離陸と着陸では圧倒的に着陸がむずかしい。

離陸は、パワーのある機体の方が、尾輪式よりは前輪式の方が簡単である。尾輪式の引込脚のかっこいいスケール機でパワーのない機体が最悪である。
飛んでしまえば、ヘリよりはずっと余裕で操縦できる。頭が痒くなっても充分掻く余裕はある(もっともどの方向に飛んでも舵を間違えずに打てる必要はある。これはラジコン自動車でも同じである)。
ヘリを飛ばせる人なら注意することは、風下へのターンくらいである。ヘリと違ってホバリングが簡単にできないから、急なターンで速度が落ち、さらに風下への飛行で大気速度が落ちて揚力が不足して墜落する場合が多い。

問題は着陸である。着陸のことを考えると急に飛行場が狭く、飛行機の速度が速く感じる。
実機と違って対気速度計が無いので、正しい着陸速度か判断が難しい。また、よこから離れて見ているので、実際に飛んでいる場所を正確に把握することが困難である。実機なら、他機速時計の指示している範囲に速度を合わせ、目の前の飛行場に向きを合わせて降下角度が正しくなるように標識に合わせて降りてくれば良いが、ラジコンは勘である。まあ、そのぶん失敗してもまず本人の心が折れる以外は怪我をしないから、慣れるまで何度も再挑戦が可能である。
コースと速度を良く見て滑走路にまっすぐ降ろそう。まっすぐ降ろすつもりでだいぶ横にずれるのは珍しくない。結果として滑走路内に安全に降ろせたらオーケーである。
風は追い風だと向かい風より圧倒的にむずかしいので、風向きには注意しよう。
問題は横風である強い横風を受けるくらいなら滑走路を横切ってでも向かい風にした方が楽な場合が多い。
着陸は速度を失速ぎりぎりまで落として機首を上げたまま最後は設置直前で失速するしそうな感じで着陸する3点着陸と、着陸時には充分な揚力余裕を残し、機首を少しだけ上げて接線で設置するような接戦着陸に分けることができる、この分け方は特に尾輪式では重要で前輪式ではその中間でも着陸しやすいのであまり問題にならないが、尾輪式で速度が充分ある特に接線式以外で着陸すると着陸の勢いでお尻が下がり、すると迎角が上がるので揚力が上がり離陸するバウンドが発生する。3点式では失速直前なのでバウンドするほどの揚力は発生しなうちに速度が落ちる。
前輪式では、必ず前が下がるので揚力は必ず減り、勢いよく前輪がつかないように機首を少し上げるフレアを掛けて前輪の地面に着く衝撃が大きくならないようにすればいい。尾輪式では、バウンドすると、その頂点付近で失速するので、フルスロットルにして着陸復行するか、エレベーターを前に押して無理やり着陸させるかで、いずれにしろ失敗する危険性がある。
3点式の着陸では積極的にフレアを掛けて失速に持ち込んでふわりと着陸できる場合が多いようだ。実機では尾輪が耐えられない場合もあるらしいが、大概のラジコンの胴体は丈夫である。尾輪式の接戦着陸ではフレアなんていうよりも、必死で接戦着陸に持ち込むように操作するだけだろう。
一般的に着陸は速度がぎりぎりよりは少し早目の方が安全である。失速直前の速度では、風の変動があったときにすとんと落ちやすいし、その時にパワーを上げても速度が回復するのが間に合わない場合が多い。しかし、尾輪式は接戦着陸もむずかしいので相対的に3点式の着陸もむずかしくなくなる。特に土の地面だと着陸と同時に速度も落ちてくれるので、翼端失速しにくい機体などの条件があるだろうが3点式の着陸も意外と簡単な機体が多い。
自分の機体で言えばコンポ号はどんな時でも3点着陸は楽だった。フランケン零で3点着陸はどんな時でも自殺行為である。
また風のムラが強いときは、3点着陸は墜落のとの危険な賭けになると覚悟した方が良い。
風の強いときは、その分着陸の対地速度も遅いので接線式の方が楽になるだろう。


さて、まっすぐ離着陸する上で問題となる風以外の要因に付いて列挙しよう。

●P(プロペラ)ファクター:
離陸時に機種が上を向くことにより、普通の後ろから見て時計回転の普通のプロペラでは、風が機種の下側から斜めに当たることで後ろから見て右半分の方でピッチが増し、反対でピッチが浅くなる。このため左右で推力が不平衡になり大きく左に振られる。機首上げと同時に起きるが、尾輪式は止まっているときは頭が上がっているのでスタート時にも起きる。この影響は結構大きいようだ。
●プロペラ後流:
プロペラの発生する空気の流れは回転させられて渦を巻きながら後部に流れて行く。この渦が問題で主翼や尾翼に当たって機体を左に向ける力になるとよく言われている。しかし、渦の働きはそんなに簡単だろうか? この説明に使われる渦の画は、きれいな螺旋を描いて後方に流れて行くが、主翼や胴体や尾翼があるのにこんなに単純な形になるわけがない。主翼を通り抜けていく絵が出た時点でおかしいなと思わなければいけない。
ちゃんとプロペラ後流よりもPファクターの方が影響はずっと大きいと書いてあるのもある。
そこで、扇風機の直前にトレトレ号の重心付近をつまんで置いて見た。スイッチを入れるとプロペラ後流と同じように扇風機の直径からあまり広がらずに風が吹く。
最初は見事にくるっとまわった。しかい単に舵がちょこっと曲がっていたためだった^^; そこで慎重に舵をまっすぐにしてゆっくりと扇風機の前に吊るした。すると機体は右にロールするだけで左にも右にも振られなかった。結局渦は単純に機体を渦の向きに傾けただけだった。機体にもよるが、プロペラ後流は、それほど広がらずに機体の影響を大きく受けるが、ロールはプロペラの反動トルクと相殺されるので実際の影響は限定的である。
●ジャイロ効果:
ヘリのローターほど大きくは無いが、当然プロペラが回転していれば、その軸を傾けようとすれば、ジャイロ効果でそれより90度進んだ角度の方にジャイロ効果が起きる。ジャイロ効果は、慣性力の一種なので質量と速度の二乗に比例する。回転隊の場合速度は半径と回転数の積に比例するので、結局大きく重いプロペラほど影響は大きい。Pファクターと同じ向きに働く場合がほとんどでヘリと比べるとちいさので取り立てて問題にしない場合が多いようだ。
●プロペラの反動トルク:
ヘリで尻尾のローターが必要な理由と同じである。これも慣性系の働きなので重さと速度が関係するが、飛行機の場合は普段はトリムで十分取れるほどの影響しかない。重いプロペラの回転をあり余るパワーで急に上げたりするとロール方向に機体を振ることになる。

いずれもパワーを上げたり大きいときに影響が強まるので順調にパワーを絞り気味で進入してくる着陸のときはあまり気にしなくて良いようである。

Pfactor

離陸のときはパワーも上がり、機首が上向きなので影響が大きい。特にロケットスタートのようなパワーで一気に離陸する場合は左に強く振られるのが普通である。
実際に働く力は複雑なので、実際の動きを見て判断すべきだが、何が原因しているかということを知ることは、条件が変わっても的確に対応できる機会を増やすことができる。
まっすぐ走るための調整は、地表では、ほぼすべてラダーで行う。実機の尾輪式では、ぐるっと回るグランウンドループを避けるために右ラダーをいっぱいに踏んでスタートする場合も多いようだが、ラジコンでも、着陸後などの滑走中は注意が必要である。

離陸時は、横風でもない限りグランウンドループに陥る危険性など感じた記憶が無い。引っ張っているのが前に付いているプロペラだから順調に加速していれば安定しているはずである。ただし、ラダーの調整をしないと向きが左にずれやすい。
地面から離れる前でも機体が軽くなって来るとロール方向への力の影響が出て来るようでその場合地面から離れる前にエルロンでの補正が必要になって来る。
まとめると、速度が付いてくるまではラダーに注意し、離陸直前からエルロンの操作がメインになる。
エレベーターは、尾輪式の場合は、最初はフルアップで尾輪を地面に押しつけて機体を安定させた方がひっくり返りにくい。ただし滑走を始めたら徐々に戻して尾輪を上げて滑走姿勢にしないと中途半端に浮き上がって失速する。滑走姿勢で充分速度が付いたらゆっくり上昇する。
スロットルも当然緒つしなければならない。考えてみたら、四つのことを同時にやらなければいけない。考えながらの操作では、とてもじゃないが間に合わない。練習で反射的に動くようにしなければならないはずである。

まっすぐ離陸できるようになれば横風の離陸もそれほどハードルが高いわけではない。
動き始めるとすぐに風に流されて機首が風上を向くので、最初からラダーを思い切り切っておくくらいがいいこととと、離陸の前後でのエルロンの使い方が最初から風に流されるのを見込んでラダーを目一杯切っておいた方が楽な場合が多いということと、茶クリの前後のエルロンの使い方がより敏感になることがポイントだろう。ラダーの動きは低速だとよりシビアである。
強い横風では動き始めた途端に機首が風上に流されやすい。速度が出て来るとラダーを緩めることができるようになる。
また充分に加速して離陸したら、早めに高度を取った方が強い風の中では安心である。
離陸までに角舵をきっちりコントロールしていた場合、離陸とともに舵を元に戻すと、機体は風に流される分機首を自動的に斜めに向けながら滑走路上をまっすぐ飛んでいくというよなことを今日読んだ記事に書いてあったと思うが、そんなものかもしれない。今までそんなこと考えている余裕が無かったが今度意識して試してみよう。

横風での風の影響

横風での着陸は風で流されるので風上に機首を少し振りながらの着陸になる。
ユーチューブに旅客機の横風着陸の例がうなるほどあるが、まさにそのような着陸となる。
進路を維持するためには、偏流といって流される分だけ風上を向き進行する速度成分と風によって流される速度成分の合成速度が滑走路の方を向くように機体を維持しなければならない。これは、実際にはすべての舵を使って行われるのだろうが、主にラダーを使って機体の向きを変える方法(カニ=クラブ)と主にエルロンで機体を少し傾けて横方向にスリップさせる方法(サイドスリップ)があり、旅客機では、圧倒的にクラブが多い。これは、旋回しないロールは機体が斜めになることが乗客にもわかるからでこれは、左右に傾斜した道路をずっと走っているようなもので乗客にとってかなり不安を感じさせるからだろう。ウィキペディアにも詳しく載っているので見てもらいたい。
ラジコンでは文句を言うお客さんが乗っているわけではないので、とにかくやり易い方法でコースを維持しなければならない。特に外から見ているので離れていると実際の飛行経路を判別するのがむずかしく知らないうちに流されて滑走路を外れている場合が多いので注意しなければならない。
ラダーを使って進行方向を風上にずらす方法は目で見て横風着陸しているぞ、わかり易いので、政界の最後くらいからこの姿勢を取るようにすると大きくずれずに済むような気がする。そして大きくずれてきたらロールを打って進行方向を調整するというようなことでしょうか。実際は、それほど考えている余裕は無いので、とにかくラダーを意識的に使って降りて来ると考えた方が良いと思う。
着陸寸前でラダーなどで進行方向を滑走路に向け直して、車輪に掛かる横方向の力を減じるようにしないと膠着装置に無理が掛かる。
ラジコンの場合は脚がこの程度のことには強いので無理しなくていい場合が多いだろう。設置すれば地面の抵抗が大きいので機体はタイヤがちゃんと前を向いてれば嫌でも進行方向を向うとする力が働くはずである。
と思っていたら、実機でも着陸後フラグしたままになる場合もあった。

ラダーやエルロン系の補助翼を目一杯使いながら降りて、着陸後もまっすぐ走れずに斜めに走っている。簡単そうに降りているけど、パイロットの腕が良いからでしょう。着陸装置にはかなり負担が掛かるでしょうから整備の人も含めて会社ぐるみの努力のおかげでしょう。日本航空と日本トランスオーシャン航空(旧南西航空)に拍手。

なお、着陸は失敗しそうなときは、着陸復行(ゴーアラウンド)しなければならない。速度が失速ぎりぎりだとむずかしくなるので速度に余力を残してい置いた方が安全である。

へたくそな撮影と見苦しい音声で申し訳ないが、悪役片山君(壊れているという指摘もありましたが)が勝手に人のビデオを使って撮ったビデオ。(先週と同じ)


離着陸自体は特別うまいわけでもなく、練習すれば誰でも出来る普通の程度だが、芸名片山君が陥り易い勘違いを喋ってくれている。
声があまりも悪人にはまり過ぎているので本当はもっと愛嬌のある声に吹き替えたいところだがギャラを払っているわけでないので止むを得ない。気になる人は音を絞って見てもらいたい。前半は字幕付きである。
風はそれほど強く感じないかもしれない。当日もこれより強い風はあったが、それでも機体が小刻みに震えたり、滑走中に機体が流される程度には吹いている。
1回目は、「自称一流カメラマン」が離陸が撮りそこなったので止むなくローパス無しで即着陸したのである。少しでも横風を和らげるため滑走路を斜めに使って降りている。着陸が延びて最後の余裕があまりないがテイク2のため無理して降りたため最後は風下に向かって無理に向きを変えて接地し、バランスを崩してくるっと風上に周り、滑走中に風で向きが変えられなかったために端の草地に突っ込んだのである(もちろん、この程度では無傷)。
普通は無理をせずにゴーアラウンドすべきである。
これもまた自称一流は肝心なシーンを取り損ねている。前回勝手に撮ったときに撮り方を注意したのにまったく進歩していない。何時まで経っても撮影が終わりそうもないので撮り上げて、ビデオ撮影に不慣れな人間に頼んだ。一流だと思っていない人間の方がまだましという、悪役によくあるパターンである。
おかげで2回目の離陸は良く撮れている。わかりにくいがラダーとエレベーターは思い切り切ってのスタートである。速度ともにラダーが効いてきて左に振られそうになってラダーを戻している。加速して離陸だが、フランケン零などは、もう少しお尻を上げて滑走しないと充分な速度になる前に離陸してしまう。
2回目は余裕を持って一度ローパスでアプローチを確認。
最後は、風の影響もあってやや強めのフレアになって思ったより伸びたがやや強めの接地。このときエレベーターを強く引くと危険である。
接戦着陸はなまじフレアを掛けない方が良い。地面効果でどの道、降下速度が落ちてくれる。どうせフレアを掛けるなら、高度を保ったまま速度が落ちて来た時である。
デビル片山君についついうなづいてしまったうなづきTKD君の罪は良く撮れているので許して悪役側のキャストに入れるのは止めておこう。
もっともデビル片山君のような得難いキャラになるには誰でもなれるわけではない。それとも知性を加味した究極の悪役を目指してみる?

それでは皆さま、くれぐれも事故を起こさないように、ごきげんよう


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