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2017年6月21日 (水)

ラジコンのリチウム充電池の危険

リチウム充電池

今回は、まじめに^^;リチウムイオン充電池の空ものラジコンでの使い方の注意点を考えてみよう。

さて、リチウム充電池は、スマホやノートパソコン、高性能デジカメなど、電気を良く使う携帯用の機器にとってなくてはならない、重さや大きさの割に大容量な21世紀になって急速に普及した充電池で、今では身近な存在である。

空飛ぶラジコン機にもたくさん使われているが、ラジコン用と一般の民生用のリチウム充電池の間には、恐ろしく深くて暗い溝がある。

民生用の場合は、電池自体に保護回路が一体となって組み込まれており(充電池は専門のメーカーから保護回路付きで供給される)、電池を使う機器側にも安全に使用するための回路が設けられているので二重の安全装置で予見可能な事故を防いでいる。
電池を落としたり傷つけたりしない限りは事故は起きにくい。

しかし、ラジコン用の場合は、わずか数分で空になるような過酷な使いかとをするため電池に保護装置を付けられず、充電器も電池に対し専用のものはまずなく、汎用のリチウム充電器を使う物の責任で正しくセットして充電しなければならない。

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おまけに墜落なんて絶対にしないと思う人はたくさんいても実際にその通りの人は滅多にいない。


ラジコン業界では、かなり初期のころから、リチウム充電池の高性能に目を付け、自己責任で高容量、高放電率という危険な使い方をして、電動のラジコン航空機を実用化して来たようであるが、事故をも顧みずにチャレンジしたおかげでリチウム充電池の発展に寄与したに違いないと思っている。
使い方を誤ると簡単に発火する使い方がリチウム充電器がこの世に出て、このかた、脈々と受け継がれ、多くの事故が、それ以外のリチウム充電池の安全のための捨て石とはなったようだが、自身の安全性は基本的にはほとんど変わっていないようである(もっとも材料の進歩による安全性の向上はあるようだ)。

トイヘリなどでは、容量が小さいため天井まで炎を吹き上げるようなエネルギーは無く、機体が溶ける程度で済む場合も多いようだが、いずれにしろラジコン用のリチウム充電池を使用するものは子供のおもちゃではなく、ちゃんとした知識を持った人が自己責任で使わなければならないのである。

リチウム充電池の事故はどうやら減っていない

Battery

リチウム充電池は、最先端に近い技術で日々改良等が加えられているため、事故が減少しているのかなと思いきや、サムスンが(多分無理な設計が原因で)世界中のリチウム充電池の輸送が厳しくなる原因となる事故を起こし、モバイルチャージャーや車用のジャンプスターターなどの事故も結構多い。

ちゃんとした製品では十分な安全対策が取られているため、一部のいい加減なメーカーのものを除けば、実際のリスクは交通事故の巻き添えを食らうより遥かに低い。

ぶつけたり、落としたりして傷ついた物を使い続けたりしなければ、充電池自体はかなり安全度があがり、昔は膨らむと直ちに発火しても安全な場所に移さなければならなかったのに、最近は、機器から傷を付けずに取り出しさえすれば、膨らんでいても発火しないとされている物が増えている。

最近の事故の多くは、傷つけたり、設計に問題がある場合で、普通に正しく使えば、包丁やライターや車などと比べても安全だと考えて良いようだ。

一般用のリチウム充電池で気を付けるとすると、傷つけたり落下などで強い衝撃を与えたものを使わないということと、ちゃんとしたメーカーか事故があってもきちんと損害賠償できる会社(PL保険などに入っている)の製品を買うことくらいであろう。
信じられないような危ない設計だか手抜きをしているようなものも堂々と売られていて、実際に事故が起きて問題になる例も多い。スマホ用の電池は十分な品質管理が行われており、万一の事故の場合の対応も良いと考えられるが、モバイルチャージャーや車用ジャンプスターターなどは、容量がでかいので不具合の場合の被害も大きくなりそうである。

しかしラジコン用のリチウム充電池の危険度は、これよりもさらにレベルの違う話しで、そもそも自分で責任を持って正しく取り扱うことができる人だけが使用しても良いよという製品で、まとも会社の製品ならそういう注意書きを書いてあるはずである。

リチウム充電池は過電圧や低電圧、過電流で発火や爆発、大きな性能低下をもたらすので、民生用の製品では電池のセル自体にそのための保護回路が付いているがラジコン用の場合は、保護回路が全く付いていない。
そもそも、民生用の常識から考えると数分で容量を使いきるという使い方が常識外れで、その電流で過電流と見なさずにすむ実用的な保護回路を作るのが困難である。

トイヘリのようなものの場合は、消費電力が小さいため保護回路付きのリチウム充電池を採用しているものも、多いようだ(もっとも調べたトイヘリの充電回路はいい加減だった)。

独立行政法人 製品評価技術基盤機構Niteの事故データベースに登録されているだけで 2005~2016年でラジコン用のリチウム充電池の事故は32件も起きている。
モバイルチャージャーの事故は、その数倍だが販売数は桁が何桁も違うだろうからラジコン用のがいかに事故が多いかがわかる。

しかも、NITEのデータベースには製品に不具合があると断定されたものはない(トイヘリまで広げると1件ある)ので、届出されたものは、消防が出動するなど自動的に重大事故として上げられたものがほとんどであろう。
発火しても、ちゃんと目を離していなければ火事には、ならないので消防が把握するのは、ほんの一部だと思われる。設定を間違えたり、劣化した充電池を無理に使った場合に、わざわざ届ける人もほとんどいないだろう。


空ものラジコン用リチウム充電池は安全度が低い

空を飛ぶ動力源には大きなパワーが必要で、リチウム充電池とブラシレスモーターのおかげで、空ものラジコンもクリーンなエネルギーを使えるようになったが、一般のリチウム充電池と同じように安全対策を行うと十分なパワーを出すのが難しくなる。
そのため、いまだに保護回路無しで多セルの高容量の(多分ほとんどが)コバルト系リチウム充電池という、発火し易いものを、使用者の責任で使っている。

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でかいものほど値段も高く、劣化して膨らんでも、直ちに使用できなくなるわけでなく容量が減り内部抵抗が大きくなって、パワーが出なくなるが、その分消費電力も下がるため、パワーを必要としない物に使えると、廃棄しないでそのまま使ってしまうかもしれない。


一般用のリチウム充電池が膨らんだくらいでは、大騒ぎしなくなっているからと言ってラジコン用も同じだとは限らない。
こういったものを使う場合は、いつ発火しても良い覚悟をして使わなければならない。劣化していない物以上に、充電中はもちろん保管も発火しても良い場所に保管する必要がある。


リチウム充電池の取扱い上の一般的な注意点

リチウム充電池の取扱い上の注意点として次のようなことが言われている。

  • 充電はリチウム充電器用の充電器を正しい設定、正しい接続で使うこと
  • 充電はバランス端子を使用すること
  •    
  • 充電は定電流定電圧による正しいモードで行い、電池によって指定された電圧を必ず守り(以下でも良いが設定する意味はラジコン用は、あまりない)指示された電流以下に設定すること
  • 充電は、燃えやすいものが無い安全な場所で行うこと
  • 充電中は異常があった場合すぐに対処できるように目を離さないこと
  • 充電中に充電池が膨れたら、直ちに充電を停止し、電池が燃えたり破裂しても良い安全な場所に置くこと(15分以上と記しているものもあるが、少なくとも温度が室温近くになるまで待つこと)
  • 膨らんだり、墜落や取扱いなど傷ついた電池は使わないこと
  • 保管は、燃えたり破裂しても安全な場所に保存すること。特に膨らんだり、傷ついたり、バランスが崩れた電池の保管は危険度が上がる
  • 満充電で保存すると劣化が早まり、劣化した電池は危険である。特に満充電で高温(たとえば35℃以上)で保存すると劣化の進行が急に加速する
  • 過充電は発火、破裂の危険性が飛躍的に高まり非常に危険である
  • 過放電は、電池を急速に劣化させる。
  • 劣化した電池の充電は正しいとされる充電でも発火する場合がある。
  • ショートさせた充電池(ショートさせたところが溶けるはずである)は、内部が損傷している可能性が高いので使用しない

最近はハイボルテージリチウム充電池という物があり、この充電池と間違えて普通のリチウム充電池を充電することは、手りゅう弾の安全ピンを引きぬいたのと同じくらい危険である。
絶対に間違えないようんコネクタそのものを専用のものにするなどの方法を取るか、発火しても良い覚悟で使用するべきである。

容量が小さい電池は危険度が小さくなるが、どこまで小さければ安全かというのは難しい問題である。
単セルの200mAhのものは、電池の不具合があっても発火に至らず周りの樹脂がぐにゃぐにゃに溶けたことで済んだ経験がある。
単セルで1000mAh(2セルだと500mAh)前後からは、大きな火が出て、火災が発生する可能性が高くなるかもしれないという専門家もいるが、当然保証はできない。

次になぜ危険かという理解を深めるためにリチウム充電池の発火に付いて簡単な説明をする。

なぜ発火するか

リチウム充電池はリチウムを使用しており非常に高いエネルギーを持つことができるが、リチウムは金属の状態では水に触れたり空気に触れるだけで発火する厄介な性格を持っている。充電では金属状のリチウムが析出するが放っておくと大変危険なので直ちに吸着させるなど単体の金属として存在できないようにする工夫をしている。

電池にはイオンが移動するための電解液が必要だが、水を含んでいるとリチウムが発火する危険があるので、イオン化が可能な油の仲間を使っているがこれは、良く燃える可燃性の物質である。発火温度になって酸素があると石油のように火を噴く。
リチウムイオン充電池の中でも電解液をゲル状にし、流れにくくしているのがポリマー型で、ラジコン用はアルミなどの金属缶でなく、ラミネートフィルムで包まれているため、膨らむことで危険な内圧の上昇を抑え、いよいよとなると破裂して圧力を逃がし、ゲル状なので液漏れが発生し難いため発火の可能性も小さくなる。
一方、外装が弱いため物理的な損傷に弱く、それが原因による発火する危険性が高くなる。
電解液がゲル状になっても燃え無くなるわけではない。

過充電

充電時はリチウムが析出する危険があり、また酸素が発生する可能性もあるということなのでそうならないように厳密な品質管理が必要だが、過充電は、そうした努力に関わらず発火を呼び起こし易い。
4.2Vでは、釘挿し試験でも、折り曲げ試験でも、130℃で焙っても火を吹かずに安全に(と言っても煙が出ようと膨らもうと火が出たり爆発したりしなければ安全と見做される)壊れるものが。わずか0.05V高い4.25Vで過充電すると、途端に火を噴きやすくなる場合が実際に多いらしい。

ちなみにこの4.25Vという値はJISやこれを元にできたIECの国際規格で誤差などがあっても絶対に越えてはいけない値とされており、通常は誤差や温度の影響を考え充電器側4.2Vを上限とするのがリチウム充電池業界の不文律であり、一般消費者用のリチウム充電池を使う製品は、これが守られるように作られていないと、説明書に何と書かれていようと製造上もしくは表示上の不備と判断されメーカーの責任が追及されることになる。

しかし、ラジコン用はそんな制限をするとそもそもちゃんと飛ばなくなるので、使用者の責任で危険を承知し回避する義務を負って使うことになる。

どこかのバカがいい加減な使い方をして死人が出るなどしな限りは、この条件は当分守られ、ちゃんと飛ぶ役に立つが危険なリチウム充電池を我々は使い続けることができるだろう。


発熱

さて火が出るのは過充電で発火し易いリチウム金属などができるときだけとは限らない。
いくら電解液が可燃性だからと言って発火点に達しなければ(酸素も必要だが)火は出ないが、高いエネルギーを持ったいるので、電気が流れることによって発生するジュール熱で発火温度に達すると火が出ることになる。

リチウム充電池も通常は内部抵抗が小さいので大きな電気を流しても発生する熱は小さいが、過大な電流が流れたり、劣化や製造上の不備で発熱し易くなると発火温度まで上がることがある。

モーターによっては恐ろしく電気を食うモーターもあり、3分しか飛べない飛行機(ダクテッドファンに多い)などは、大電流に耐える構造の電池で無いと危険な温度になり易い。発火しなくても劣化が進みさらに温度が上がりやすくなる負のスパイラルに陥り易い。


保管中の発火

保管中の発火は知らない間に突然火災がする非常に嫌なケースである。
保管中に発火する仕組みは以下のことが言われている。

墜落や圧迫などでごく一部がショートすると、ショートの熱が発生する。
小さなショートの場合は、大きな熱では無いので急に外からわかるような変化が無いが、周りから冷やされて一見問題が無いように見えても、小さな熱で単価などが進み、徐々にショートの部分を広げて行く。
ショートの部分が広がると熱の発生量が増え、周囲から奪われる熱で冷えるのが間に合わなくなり、徐々に発生する熱量の増加して行き、ショートが広がる速度早くなるが、あるときから冷えるのが全く間に合わなくなり、可燃性の電解質に引火して発火する。

これを防ぐには、ショートが広がらないように熱でやられると完全に電気を通さなくなるようなセパレーターなどの絶縁物を採用すれば良い。
衝撃を与えて15分異常が無ければ良いと書いてある充電池は、そういう材料を使っているので安全性が高いのだろう。

しかし、自分の使っている電池は本当にその通りだと信用して良いのだろうか?
ポリマーでない電池は、自動化を推し進めないと安全性だけでなくコストでも競争力が持てないため、比較的まともなメーカーしか生き残れないという話しもあるが、ポリマー型は手作業が多く、燃えてしまった困るような設備がそれほどなくてもできるらしい。

ラジコン屋さんが、毎晩、リチウム充電池を安全な保管場所に移動させていないからと言って、電池の工場をしっかり工場監査して毎回検査成績書を寄こさせてチェックしているとは限らないのである。

まあ、傷を付けたり、劣化させたりしていない限りそうそう簡単に保管中の発熱は起きるものではないが、できれば安全な場所に保管した方が安心である。

安全な場所は、性能の劣化を防ぐためには、熱い場所を避けた方が良いので、土蔵や蔵などを持っていれば最高だが、一軒家でも鉄の物置程度では屋外でも温度の点で心配である。
事故は最近は耳にしていないので実際の事故は本当に少ないかもしれない? 実際の事故で何と言っても多いは充電中の事故である。

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一応、こういう物も持っているが、安いものの中には耐火性能が全くないものもあるとか言う話しであるが、何を信じて良いのかはわからない。
袋が破れなければ、発火しても酸素不足ですぐに消えるので大事にはならないかも知れない。
充電中に使う人もいるらしいが、膨らみ始めたかどうかはわからなくなる。



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金属製の弾薬ケースを使っている人も多いようだが、実際に保管中に発火したという例を知らないのでどの程度効果的かどうかはわからない。
鉄砲の弾は、銃口から発射されない限りそれほど危険でない。弾よりも薬莢の方が軽いので弾は勢いよく飛び出さない。



劣化

劣化自体は発火の直接の原因ではないが発熱し易くなる原因となる。

劣化は、繰り返しの使用でも徐々に容量の低下という形で能力が落ちて行くらしいが、多セルの電池はセルのバランスが崩れると通常の充放電サイクルによって計測される寿命よりもずっと早く劣化し、発熱が悪い部分に集中し危険度が高くなり易いようである。
多くの場合、劣化するとセルが膨らむようである。

ただし、劣化する要因は様々で電池の作り方によっても変わって来ると思われるので、膨らんでいなければ安全とは断定できない。
ただし、膨らんだものは確実に劣化しており、さらに発熱するなどの事故も多い。

また通常の充放電によるゆっくりとした劣化よりも、不適切な使い方や保存で起きる劣化の方が影響が大きいようである。
過充電は正極側、過放電では負極側でガスが発生し易いらしいが(化学は苦手なので正しいかどうかは全く自身が無い)その状態で長く置くほどガスが発生し易いらしい。
特に満充電で高温下で放置すると劣化し、膨らみやすい。
真夏に満充電で1~2週間放置し、何本も電池を駄目にした。
同じ場所に置いていても満充電なければ膨らみせず、セルのバランスも劣化は、ほとんど無い場合が多いようだ。
また冬季は満充電による劣化も小さいようである。

この劣化が実際にどれだけ危険かは、電池の作り方や、劣化の状況で変わるのだろうが残念ながら、ちゃんとしたデータがないので何とも言えない。
膨らむと甘い香りがする場合が多いが、これは膨らんだガスのにおいと言われている。
基本的に毒性は低く、匂う程度ならば引火の危険性もないが、針などで穴を開けるとショートして引火する可能性があるので危険と言われている。
残容量が0であれば熱の発生は無いので危険は少ない。廃棄するときは塩水で1週間程度屋外に放置して完全に放電させると発熱の能力を失うので安全である。



劣化によるトラブルの例

充電器にバランス端子が付いているので、セルに過電圧が掛からないから、劣化やセルのバランスは、それほど気にしなくていいのでは、と思っている人がいたら、大きな間違いである。

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この写真は、少し膨らんでいたものを普通にバランス充電したら、気が付くと、こうなったので慌てて充電を止めて充電器から外して屋外にしばらく置いて温度が冷えてから撮影したものである。

放っておいたら火が出た可能性はある。

幸い、怪しいと思いつつ、たまにパワーの小さい機体に使っていた充電池の特性をはかるために充電のログを取っていたので詳細な充電の記録が残っている。
同じ物がもうひとつあり、これも少し膨らんでいたので同じように測定したところ見事にほぼ同じタイミングで膨ら見始めたので慌てて終了した。これも温度が上昇していた。

このときの記録を見ると、過充電による膨らみではないことが見て取れる。
測定は 初期充電→容量測定→再充電 で上本殿の切り替え間隔は10分程度で異常な温度上昇はなかった。
充電器はHyperion EOS1420iNET3である。
以下にその時のデータを示す(図をクリックすると大きな図を新しい窓で開く)。

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初回の満充電にするための充電である。
波形がのこぎり状になっているのは、1分に付き6秒間充放電を中止し、充放電していないときのセルの電圧を見るのがこの充電器にデフォルトだからである。電圧を掛けたときと無負荷の差が少ないほど充電時は満充電に近く、放電時は内部抵抗が小さい。
電流は急速に下がり0.1C=0.26Aで充電終了となる。

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こちらは放電容量測定時のグラフである。1Cの定電流放電なので電流は見やすくするため表示していない(1分に付き6秒休むのは同じ)
セルのバラつきは大きく、Crell#1が終止電圧3Vに達して放電を終了しても、Cell#2~4はまだ少し終止電圧までの容量を持っている。
容量は公称値2600mAhに対して1800mAh弱しかないことが分かる。新しいと2600mAh近くの容量が記録されたはずである。
内部抵抗も倍くらいに上がっているので最大のパワーも落ち、パワーが必要な機体では稼働時間はずっと短くなる。
パワーを必要としない機体であればそれなり飛んでくれる。

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これが、上の写真で示した大きく膨らんだときの充電時のグラフ。
セルの電圧差がなぜか直前より最初から拡大して、途中でセルの電圧の代償が入れ替わっていて如何にも異常がありそうなグラフになっている。
しかし、各セルの電圧はわずかに4.2Vを上回る程度で、電圧自体は0.001V単位の精度が確認できたので絶対上限である4.25Vには達していない。
最後は充電停止ボタンを押して終了させたと記憶しているので、低電圧制限で電流が下がり始めて1分半程度で電流が急に下がっているのは実際に下がっていると覆われる。
Cell#2とCell#3がぴょこんと電圧が高くなったことを検知して充電器は電流を絞って絶対電圧を超えないように制御したと思われる。



次のグラフはもうひとつの同じ銘柄の少し膨らんでいる電池のグラフである。

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もうひとつの電池の初回の満充電にするための充電である。
こちらの方が満充電に遠いため充電時間が長い。
またセルのバラつきも大きい。

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放電のグラフを見てもセルのバラつきは大きい。
セルの電圧のバラつきは充電率が小さいほど拡大するのでバラつきは満充電後に見ると小さく表示される。
この図では同じ電流を流してもCell#1とCell#4が早く容量を使い果たすことが分かる。特に#1が早く落ちている。
全体の電圧はそれほど落ちていないので無理をすると#1が過放電になりますますダメージを受けることになる。

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こちらも2回目の充電時はセルの電圧は大きく乱れている。
充電なので通常は、定電流充電でスタートするはずが、Cell#1やCell#3の電圧が上限を超えてしまったので電流制限が数十秒後から大きく掛かっている。
7分弱で両方とも低い電圧を示したため電流が回復しているが、このときは既に発熱が始まっていたのかもしれない。


これらのグラフから今回の異常な発熱とその結果によると思われる膨らみは、過充電で発生したというよりも正常な吸熱反応である充電以外の何らかの抵抗によって発生したと考えた方が良いのかもしれない。

たとえば内部短絡によるジュール熱の発生かもしれない。この場合セルの電圧として測定されるのは電池としての気電力でなく短絡部の電圧降下の比重が大きいということなのだろう?

異常な充電を終えた直後に各セルの起電力や内部抵抗を測ればそういったことが分かるかもしれないが、新しく買った4S2600mAhでそういう試験を使用とする気になる状況は当分来ないと思う(願っている)。

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