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2017年11月 8日 (水)

dji ドローン:機体とプロポとタブレットの関係

dji ドローン:機体とプロポとタブレットの関係

幸い大きなけが人は出なかったがドローンによる事故が起きたこともあり、マルチコプターを安全に飛ばす上での主に操縦系についての記事を遅ればせながらも載せることにする。

なお、dji以外にも何もしなければ墜落しないことを目指しているマルチコプターはあるとは思うが、マルチコプターのほとんどは墜落させないように飛ばすのは難しいものである。
特に業務用以外のホビーユースの安いものは、墜落して当たり前のものが多い。
ま、実際に飛ばせばすぐわかることだが、ここでは、一見、墜落しそうもないdjiのドローンについて述べる。
djiのドローンでもそれなりの重さのものが高いところを飛ぶのだから、簡単に飛ばせるからと言って、いい加減に飛ばしていると痛い目を見ることになる。

Phantomなどのdjiのドローンは、ふつうのラジコン飛行機やヘリと似たような形をしたプロポ(※1)を使っていても、機体との関係は全くといってよいほど違う。
djiのドローンを扱うためには、このあたりのことを理解しておく必要がある。


機体とプロポの関係

普通のラジコンでは、プロポの指示は絶対的である。ジャイロなどを使った電子式やメカ式の姿勢安定装置を積んでいても、風などの外乱による姿勢変化をキャンセルする動きを行うだけで、プロポからの指示は直ちに実行される。※2


djiのドローンでは、プロポからの指示信号が、そのまま実行されることは無い。プロポからの指示はまず機体をコントロールしているプログラムに渡され、そのプログラムが許可した範囲内で機体への操作として実行される。
djiのドローンで絶対的な支配権を持っているのは機体のコントローラーである。

ヘリや飛行機では、機体を墜落させないように操作するのは人間の責任だが、djiのドローンでは、墜落させないということに関しては、人間の操作を全く当てにしていない。

これを人間が機械に操られていると考えても、人間と機械が協調して安全に飛ばす素晴らしいシステムだと考えてもどちらでも良い。どちらも間違っているわけではない。

いづれにしろ、マルチコプターは、自立安定性がなく、操作ミスによる墜落があっという間に進行するので、落ちないように操縦するには人間の視覚系の反応時間(200ms近くかかる)では不可能であり、電子デバイスの自動制御系が不可欠である。

プロポの操作が優先される場合

しかし、機体のコントローラーが100%支配権を持っているわけではない。
自動化装置といえども万能であなく、正常に動いていたとしても、想定外の事態(鳥がぶつかる、落雷、つむじ風など)は起きるし、電子デバイスは、物理的な要因以外にも、プログラムのミスなどで突然暴走する危険もある。
大きなパワーを持つ機械では、非常停止装置を持つのが普通である。
工作機械などには赤い非常停止ボタンが付いているし、電車や車には非常ブレーキとして可能な限り早く停止する仕組みを実装している(車なら、アンチスキッド装置もこのための仕組み)。
空飛ぶ乗り物では、急停止は、墜落を招くので、飛行機(固定翼機)もヘリ(回転翼機)もエンジンが止まっても機体が多少損傷しても、安全に着陸できるように滑空(飛行機)やオートローテイション(ヘリ)でできるだけ死なない程度に地面に戻って来れるような仕組みを用意している。
マルチコプターは、プロペラが止まれば、即真っ逆さまに墜落するので人が乗るに上での大きなハードルになっているが、無人機なら、どっかへ暴走するよりも、石ころのように落ちてくれた方が被害が少ない場合が多い。
Phantomには、万一の時にモーターを切る非常操作が実装されている。

電子制御の機械の非常操作は、ハードウェアで独立させて、プログラムが暴走しても確実に働くように作るのが鉄則である。
djiのドローンがどうなっているかは不明だが、もしハードウェアで実装されていたら、たとえ誰かがボタンを押すと世界中のPhantomが某国目指して帰っていくという都市伝説が発生しても、帰らせずに墜落させることができる。
ま、燃料の問題はどうしたのとか突っ込みどころ満載だが、現実的な話としては、djiのドローンは、インターネット経由でアップデートが可能なので、テロリストが、アップデートに、人を攻撃するコードを仕込んで、ある時、起動させるという可能性などはある。
SparkなどはAIチップを積んでいるので、どこかの首の後ろに唇がある、凶悪なデブ民衆は差し置いてちょっとばかし良い物を食べすぎな方を見つけて、猛スピードで突進するなんてコードを書くのもそれほど難しいことではないだろう。

実際、多そうなのは、プログラムの不備による暴走だが、ちゃんと非常停止装置をハードウェアで実装していれば、非常装置を発動させた地点おそぐそばに墜落させることができる。

SparkはAIチップが付いているので、AIならではの、不具合で(AIに100%を求められない)暴走するということは考えられる。
最近修正があったSparkの暴走は、しばらく飛行して墜落しているのでAIならでは可能性も考えられる。

Phantom3まではCSC(Combination Stick Command)と呼ぶ、プロペラを起動させる同じ方法ですべてのモーターを切れるようである。機種によって(ファームウェアや設定によっても)この図のどれがモーターを切るのに使えるかは異なるようである。

間違って、この操作を行うと、あっという間に墜落し(200m位落下して再起動に成功した動画があるが、住宅のある場所での異常に危険な行為なのでリンクを載せない)安全な場所に墜落したとしても、財布と心は痛だろうから、モーターの起動と同じく、ふつうはやらない操作に割り当てたつもりだろうが、実際には、この操作をして墜落させた例が意図的な場合より多いということをdjiはにんしきしてるとかいう記事をみたことがある。
確かにマルチコプターでの操作として、ふつうはあり得ないとは思うが(固定翼のスタント機ではきりもみで硬化させるときなどに使う)、スタート時には行うので、便利すぎると人間を堕落させるということの傍証のひとつだろう。

Phantom4からは、
この図のような、ちょっと手間がかかる方法に変更されたはずである。
RTHを作動させるときに、くるくる回転させながら後退させる必要がある時など全く思いつかないので、間違って起動さえる心配はほとんどないと思うが、必要な時に間違えないように、しっかり覚えておいた方が良い。

なお、この設定は、機体だけでなくファームウェアでも変わる可能性があるので、ネットから最新の説明書で確認した方が良いかもしれない。
djiのホームページからダウンロードできる。
そういえば、前回の記事(ずいぶん前でした^^;)で述べたようにdji GOからもマニュアルは見れるので、ネットにつながる環境下で調べるのも良いだろう。


タブレットに頼りすぎない

さて、最近のdjiドローンはタブレット(スマホを含む)のような表示機能を持ったデバイスが重要な役目を持っている。
タブレットを使うようになると、昔のタブレットを使えない機種を飛ばす気がしなくなる。
なぜか合わせて3機もある初代と2代目。
初代は、他社のジンバルを付けて使用。2代目は、GoPro用のジンバル付きで性能はまあまあ。
GoProはWiFiで画を飛ばせるが、プロポの電波と干渉してせいぜい50mまで。
それでも結構活躍。
もう一台は、部品取りようにただでもらった一台。
Phantom3を同じ飛行場の人が買ってから、どれも出番は極端に減少。墜落機捜索には、リアルタイムのカメラの画が見れるというのは大きなメリット。

Phantom3以降のタブレットのメリットは単にリアルタイムで画を見れることではない。
それまで、腕の下のLEDの点滅具合から謎解きしなければいけなかった情報がダイレクトに見れる以上にバッテリーの細かい状況、電波やGPSの受信状況、各センサーの状況など、多彩な情報が見れる。
これに慣れるともう後には戻れない。
Phantomで飛行を楽しむこともできないことは無いかもしれないが、こんな勝手に飛んでくれる機体では、ふつうに飛ばしていても全然面白くない。
やはり、撮影してのPhantomであり、そのためにはタブレットは欠かせない。

しかし、だからと言ってタブレットに頼った飛行をしてはいけない。

タブレットなんてしょせんいつおかしくなっても不思議はない代物だということは、スマホを使いこなしていればいやというほど実感しているはずである。
タブレットは必需品だが、いつタブレットが死んでも安全に処置できるようにしておかなければならない。※3

機体←→プロポ←→タブレット間の信号

機体とプロポとタブレットの信号のやり取りを推測すると以下のようになる。
装置間左→右左←右
機体 x プロポ(双方向)カメラのリアルタイム画像(デジタル)、機体の各情報制御信号
プロポ x タブレット(双方向)機体からの画像と情報(多分スルー)機体への設定情報(ほとんどスルー)
機体 x タブレット(飛行中の直接の通信は無し)(飛行中の直接の通信は無し)

この関係は、機体とプロポとタブレットの信用度を見事にあらわしている。すなわち

  機体 > プロポ > タブレット

注釈

※1:プロポとはラジコンの送信機のことで従来のトンツー式の真ん中と右、左と中間の無いデジタル的な制御しかできなかった送受信機にプロポーショナル(比例)式の中間の任意の値を出力できるインパクトの強い画期的なもので、以来ラジコンの送受信機は、プロポと呼ぶようになったようである。
djiのドローンは、プロポは単なる比例制御腕ないのでコントローラと呼ぶようであり、その方が実態に合っているが、ラジコン業界の通例に従いプロポと呼ぶことにする。プロポーショナルコントローラーとさえ呼ばなければ短くて呼びやすい良い名である。
ちなみに、ドローンという言葉は無人航空機の呼び方でマルチコプターだけではないと無駄な主張をする人間もいるが、この場合は、世の中の大勢だけでなく、世界的にドローン=マルチコプターとなっているのは、Droneという語源からも語感からも当然の流れである。
しかし、6軸ジャイロという言い方は、いただけない。加速度とジャイロスコープは、物理的に別次元の事象でこれを混用することで無用な墜落を助長させる原因となる。
3次元のジャイロセンサーと加速度センサーだけでも、それだけでは操縦安定装置としては、甚だ不十分で下手をすると却って墜落を招くことになるのでそれを6軸ジャイロなどと思考停止しては、無駄なものにしかならない。(3軸ジャイロ+3軸加速度センサーでもヘリ用としてならば、効果は高い)

※2:トイヘリなどでは機構が省略されていて、操縦するための制御系がそもそもいい加減な場合もあるが、基本はプロポの指示はすぐに反映される

※3:タブレットがあろうが無かろうが、プロポは作動し、そのプロポと正常に通信できなくなれば機体は、デフォルトで自動的にRTH(Return To Home)の動作に移る。
目視で飛んでいれば(バッテリーの情報や正確な位置の把握が難しくなるのでできるだけ早く戻した方がいいが)基本はそのまま飛行させれば良い。
目視外飛行の場合は(許可が必要だなどと野暮なことを強調するつもりはない)一旦スティックから手を離してその場でホバリングさせ、dji GOが回復しないようなら、機体を見つけてから左と右のスティックの前後動と左右動を別々に単独で行えば機体の向きが確認し(左右の動きが逆の場合は機体の前後が逆になっている)、慎重に戻してくれば良い。
RTHで安全に戻せる場合はこれを使っても良い。ホームポジションまでの途中に障害物が無ければ安全に戻せるはずである。RTHの間でもプロポの操作は、問題が無ければRTHの動作に加算されるので障害物をよける操作をすることも可能なはずである(実際に確認すること)。
機体がなぜか見つからない場合は深呼吸して、機体のいる位置をできるだけ思い出し、RTHに支障が無いことを確認して(必要なら高度を上げて)プロポのRTHボタンを押してプロポのRTHボタンのLEDが点灯したのを確認してできるだけ早く機体を見つける。
場合によっては、高度を下げてその場に着陸させても良いし、万一の場合は、モーターを全部強制的に止める方法もある。
よっぽど無謀な飛行をさせてない限り、パニクらなければ安全を確保できるのである。
なお、Phantomなどは(その他の多くのdjiのドローンも)送信機の電波が3秒受信できないと自動的にRTHに入り、再び電波を受信するとプロポのコントロール下に戻るというのがデフォルトになっている。
このとき、戻ってくる高度を設定したり、機種によっては、行った経路に逆向きに戻ってくるという方法も使えるので、自分の機体については確認しておくこと。
最新のマニュアルはdjiのホームページから自分の持っているシリーズを選び、詳細を選んで機種を特定しダウンロードと書いてあるページを選べば良い(そういえばタブレットからもマニュアルが見れるというのを前回書いたような?)


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