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2018年4月

2018年4月 9日 (月)

RYZE Tello 初飛行まで その4

目次
RYZE Tello 初飛行まで その1 概要
RYZE Tello 初飛行まで その2 必要なもの
RYZE Tello 初飛行まで その3 セッティング
RYZE Tello 初飛行まで その4 飛ばし方のヒント(このページ)

Telloアプリの設定と飛行性能

今回は、Telloの楽しみ方について
前回まででおおよそ飛ばす準備は完了するはずである。
今現在は、アプリに多少問題はあるが、改良してもらえれば、そんなもの見なくてもほとんど迷わなくなるだろう。

Screenshot_20180408193753

Telloアプリの画面である。
スロットルの位置は、デフォルトのモード2から日本で一般的なモード1の右スロットルに変えてある。
左右の丸い塩の中に左右の親指をおいて親指を動かすことでプロポのジョイスティック代わりとなる。
最初に置いた指の位置が基準になるようで、操作性は意外と良い。
右上は、録画スイッチでその横がカメラとビデオモードの切り替え、さらにその横が録画を見るためのスイッチである。
録画はすべてスマホ側に保存される。アルバムのアプリなどで見たり共有のために送ったりすることになる。


Screenshot_20180408194002

離陸は左上の離陸ボタンを押すと現れる、画面真ん中の横に細長いスライドを右になぞると、一瞬の間をおいてTelloのプロペラがうなりを上げ、1m弱ほどの高さに上昇する。
10mの高度は測れるということだが、下のデコボコにも反応して高さが変わるようだ。ただし加速度センサーなども見ているのでいきなり高度が変わるということはない。
迷いつつも、高度が変わったかなと考えながら補正しているようでそれがわかれば結構愛らしい動きである。

着陸はスロットルを下げ続けても良いし、左上の離陸ボタンが飛行中は着陸ボタンに変わるのでそれを押すと普通の着陸と手の平への着陸を選択できる。
手の平を選択すると中表示が出て了解すると手の平に着陸できる5秒間のカウントが始まる。
この簡に手を期待の下に置き、上げるのでなく静かに下げるくらいの気持ちでいた方がきれいに手の上の着陸してくれる。

Telloアプリは、ありったけのスマホなどにインストールしてもWi-Fiに繋ぐ設定さえすればどれからも操作できる。
ただし、スロットルのモードを変えた場合は、すべてのスマホでモードを統一されているのを確認しないと、いきなり壁や天井に向かって突進させることになる。
意図した動きと違う場合は、とっさに対応するのは難しく、スマホの相性テストのおかげで何度も壁に激突させた ^^;
機体が小さく、ほぼ対称形なのでうっかりすると向きを間違えてこれまた壁に激突させることになる。
DJIのドローンと違って衝突防止装置が付いていないのである。
もっともそんなものがついていたら家の中では厄介なだけかもしれない。
ラジコンフライヤーのオッサン達には、スマホのタッチと言うのは、少し苦痛かもしれない。
そんな人向けにスマホと連携して使うゲームコントローラーのようなものがある。
iPhone用のは悪い評判は少ないが(単に利用者が少ないだけかも知れないが)Android用の他社製品(専用ではなさそう)の評判は悪い。

画像の遅延

この機種に売りのひとつは、画面を見ながら操るFPV機能である。

Cimg4192

航空法の規制で200g以上の機体は許可が必要だが、この機種は実測87g程度なので屋外でも堂々とFPVできる。
画像はWi-Fiのデジタル伝送なので遅延が発生し、正確に測ったわけではないが0.2秒程度と言ったところか。 ただし、スマホの画像などの処理能力によっては、ときどきもっと大きな遅延になるので、FPVでシビアに飛ばそうとしてら高性能スマホで裏で動いているプログラムを極力殺すなどの対策が必要だろう。


飛行機はラジコンより実物の方が,どこを飛んでいるかよくわかるし、速度やフラップ、着陸の角度など、指示が至れり尽くせりなので操縦は簡単だが、Telloの画面はカメラの首を振ることもできないのでFPVの方が簡単とは言い難い。慣れが必要である。

それでもどこに向かって飛んでいるという情報は役に立つし面白い。

屋外での飛行

屋外での飛行は風が無いときと、うるさいくらいに取り説に書いてある。
実際どうなのか、こちらの要望と言うよりお天道様のせいで実験する羽目になった。

結果は動画の通りかなり優秀である。
機体の底部についた、ビジョンポジショニングシステムとかいう装置で視差による高度と地面の模様を見ることによる位置決めの方法だと推測するが、これが、DJIとのコラボだと自慢するだけのことはあるということだろう。
さすがに離陸直後は、機体が流されるので位置の特定が難しいようだが、機体を風に傾けて、水平速度を下げてやれば位置を捕まえて驚くほど正確にホバリングを維持してくれる。

試験の時の風速は吹き流しが真横、風に強いヘリにとってはどうってことない風だが、飛行機は、普通の飛行機では風上に速度を上げて着陸させないと難しい、かなり神経を使う風である。

ヘロヘロ号などもみくちゃにされる、とても勧められない風である。

電波の到達距離は風が強かったので通称:北●鮮まで拉致されると当分戻って来れなくなるのでテストしなかったが、30mを超えると電波の警告が出始めるようだ。
ラジコンの電波くらいしか飛んでいないはずの場所としては、50mくらい飛ぶんでしょうか?
もっともそんなに離れるとFPVでないと機体の向きがわかりにくいので実用的には取敢えずは充分そうです。
どうしても距離を延ばす必要があるなら、電池式のWi-Fi中継器が役に立つかの検討が必要になる。

設定

Screenshot_20180408193821

歯車マークを押すと現れる設定に関しては詳しくは説明しない。
この中のJoysticksがスロットルのモード1とモード2の切り替えである。


Screenshot_20180408193946

ドローンのボタンを押すと特殊な飛行が選択できる。
手で投げるとか、宙返りとか、行って戻ってくるとか、省もなさそうそうなものまで含めていくつか載っている。
ここら辺はプログラム次第なので作ろうと思えば、いくらでも作れるはずである。
プログラムもMITで作成したScratchというプログラムのサポートをしていてRYZEの取り説のダウンロードページに簡単な説明のPDFがある。

Scratchは、初心者向けのプラグラム言語(?)で視覚的にプログラムを作れるようである。
なんか子供だましのような物にも見えるが、GPSの機能が付いていないTelloには工夫のし甲斐がって面白いかもしれない。
Scratch日本語紹介ページ

以上

2018年4月 8日 (日)

RYZE Tello 初飛行まで その3

目次
RYZE Tello 初飛行まで その1 概要
RYZE Tello 初飛行まで その2 必要なもの
RYZE Tello 初飛行まで その3 セッティング(このページ)
RYZE Tello 初飛行まで その4 飛ばし方のヒント

セッティングは簡単である。
アプリをGoole PlayやApp StoreからTelloアプリをダウンロードしてインストールし、充電したTelloの電源を入れて、スマホのWi-Fiの選択の画面からTelloを選んでから、Telloアプリを実行すれば操作の準備は整う。

一応、注意事項を記す。

アプリのダウンロード先

アプリは、取り説のQRコードからでなく、Google PlayやApp Sotoreの由緒正しきダウンロード先からダウンロードする。
QRコードの先は、独自のサイトなので(そのうちOSを見てGoole Playなどにリダイレクトするようになることを期待したい)「インストールしてほんまに良いんでっか?」と言うような、うっとおしい注意が出ることになる。

スマホの確認の時に既にインストールしていれば、それをそのまま使えば良い。アップデートの情報がある場合は、その表示が出るはずである。

取り説のダウンロード

20180404 前回のスマホのリストと同じ、RYZEのDOWNLOADページ https://www.ryzerobotics.com/tello/downloadsのページの左側の赤丸の部分である。
近いところが何の不自由もなく見れる人はともかく、普通の人は読みやすい大きさで、今のところ唯一の日本語の説明がある、Quick Start Guide - Multiだけでも読んどいた方が良いだろう。
ひょっとして、そのうち重大な表示が乗るかもしれない。
そのほかの文書も英語だが、読む必要が無いとは言わないが、たくさん売ろうというのに、日本語が無いというのは不遜な根性である。

充電池の充電

充電池は本体に挿入して行う。
箱には、本体以外は、細長くて小さくてまともに読めるとは思えない取り説と充電池とプロペラが一台分と、プロペラをまっすぐ抜くための工具が付属品としてあるだけだった。

Cimg4197

電池の向きはこの向きでこの位置まで差し込む。
あとは、側面の小さな台形の穴に充電ケーブルを差し込んでしばらく待つだけである。

充電ケーブルを差し込むと全面のカメラの横のLEDが緑や赤で数回点滅して(起動時のセルフチェックとのこと)から青の暗い色でゆっくり点滅する。
屋外ではわかりにくいほど暗い明るさである。

充電が完了すると青色の点灯に変わる。

なぜか、不明だが、充電ケーブルを指しっぱなしだと充電量が減る場合があった。
充分に充電したつもりで飛行できないというのは、予備の電池が手に入らない現状では、ちょっとつらい出来事である。
屋外で飛ばす場合はm、スマホ用のモバイルバッテリーで充電できるので、何とか飛ばすことができたが、なぜ消費されるのかは、また必ずなるかどうかも不明である。

飛行の準備のためのWi-Fiでの接続

Wi-Fiは、工場のマークなどからスマホのWi-Fiの設定画面を開いてTelloを選択する。
実際のやり方は、スマホやOSのバージョンなどによって異なるので、各自調べていただきたいが、EXPERIA ZX1の画面を示す。

Screenshot_20180408191452

図の左上の方の団扇のような下の赤丸のところをちょっと長く押すと、



Screenshot_20180408191637

このような近くのWi-Fiの電波を表示する。
この中からTELLO-XXXXXを選べば良い。
Telloが表示されるのに少し時間が掛かる場合がある。いつまで経っても表示されない場合は、TELLOの電源が入っているか確認すること。黄色や緑が点滅しているはずである。
Telloが選択されると、接続先にインターネット接続がありません とか文句を言われるかもしれないが、さすがにTelloには、インターネット接続の機能がないのでこれを大人しく受け入れるだけでのことである。
なお、この図は、すでに接続が完了したあとの状態である。



アプリの起動

ここでTelloアプリを起動する。

Screenshot_20180408155731_2

もし、この図のような画面が現れたら、これはTelloがWi-Fiで接続されていないときの画面である。
Telloとの接続が済んでいるのにこの表示が出たら、TelloアプリがTelloとのWi-Fi接続前から起動していてためにWi-Fiとの接続をきちんと処理できていないなどのせいでアプリに異常が発生している性の場合がある。
ま、単純なバグのようなものなので、そのうち修正されるかもしれないが、現在のバージョンはたまにこういう不具合が発生する。
そういうときは、Telloアプリを一旦完全に終了させてからもう一度Telloアプリを立ち上げると正常になる場合が多い。


アプリの完全な終了

スマホやタブレットでは、アプリの画面が閉じられても完全に消えたわけではなく、裏で動いている場合がある。
Telloの不具合を回避するためにこの裏で動いているTelloを消すと良い場合がある。
Andoridでは、そのためにマルチタスクボタンを表示させてTelloを削除する。
iPhoneではホームボタン2度押しで同じ機能があるらしい。

Screenshot_menu2

Androidでは、Telloの画面で画面の上から下にスワイプすると、図の赤丸のようにメニューマルチタスクボタンが表示されるのでこれを押すと直ちにTelloアプリを終了させて初期画面に戻る。
ここで、もう一度Telloアプリを立ち上げると不具合が解消される場合が多い。
将来、修正されて欲しいが、これは、Telloアプリ以外でも役立つので覚えていると良い。
スマホの動作を良くするために余分なアプリを停止させる役にも立つ。
(その他にもバージョンなどによって色々な方法がある)。


Screenshot_20180408193753_2

何も問題が無ければ、Telloのカメラの映像とともに図のような操作画面が表示される。

おめでとう!
これで、Telloを操作する準備が整ったことになる。

さて、ここでいきなり飛ばしても何となくわかる画面なので、そうするのもスリリングで良いが、いきなりの墜落を吸い越しでも穏やかなものにするためには、Telloの画面を良く見てみよう。


次回はそれについて説明する。

なお、Telloを最初に飛ばす場所は、できるだけ出っ張りが少ない部屋の中が良い。
出っ張りが少なければTelloが思うように動かなくても平面に当たってボヨヨ~ンと跳ね返されながも宙に浮かんでいられるからである。
プロペラに何かが当たると保護のためプロペラは全停止になり真っ逆さまに墜落する。
その場合でも結構Telloは丈夫であるが、100%大丈夫というわけにはいかないので、できるだけ安全な場所で飛ばすのに越したことはない。

続く

RYZE Tello 初飛行まで その2

目次
RYZE Tello 初飛行まで その1 概要
RYZE Tello 初飛行まで その2 必要なもの(このページ)
RYZE Tello 初飛行まで その3 セッティング
RYZE Tello 初飛行まで その4 飛ばし方のヒント

Telloを飛ばすのに必須なもの

Telloを飛ばすのに充電器や充電ケーブルが必要となることに注意。タブレットは相性問題がある。

  • 本体(税込¥12,800-)
  • 対応したスマホや一部のタブレット
  • USB充電器(1.5A以上と説明書にあるが、多分ちゃんとしたものなら充電容量が小さくても壊れることなく何とか充電できるだろう)
  • USB充電ケーブル(Andoridのスマホのほんの少し前までのトレンドあったμBという端子である

あると便利かもしれないもの

  • 予備のバッテリー
    飛行時間が最大で13分、充電時間が良い充電器でも1時間ちょっとかかるので予備があると折角面白いのにじっと時間を待つという辛抱ができない人にはぜひ欲しい。問題はこれを書いている時点でどこも在庫が無いこと)
  • ケース
    外へ持っていくならケースがあった方が楽
  • 充電器
    今はまだ出ていないようだが、そのうち充電器が出回るだろうから、電池をたくさん持っているなら買った方が良い
  • コントローラー
    スマホに合体させて使うコントローラーがiPhone用で出ている。ラジコンのプロポになじみ過ぎたおっさんたちには重宝するかも
    Android用は、もっとTelloにお合ったものが出るまで待った方がよさそう
  • 保険
    万一に備えて通販以外の自動車保険に入っている人が対象となる家族にいるならラジコン屋自転車の事故に適用される特約に入っておくと安心(絶対条件では無い)。値段も一年数百円程度で安心が買えるのでお勧め。自転車にも使えるものが多いので保険屋さんと相談した方が良い

スマホやタブレット

残念がら制約がある。
Androidは4.4移行、iOSは9.0移行で対応とあるが、実際には10インチのタブレット系などアプリがインストールできても起動しない例がある。

20180404

確認できたスマホなどは、RYZEのDOWNLOADページ https://www.ryzerobotics.com/tello/downloadsのページの右側に載っている。
なお、左側の赤丸の中は、説明書のダウンロードである。
Quick Start Guide - Multiは、機体に添付されている唯一の取り説で唯一日本語が載っているものだが、残念ながら昔の保険の約款のような読んでもらおうと思う気があるのか疑わしい小さな文字なので、ここからダウンロードして大きくして読むことを勧める。


Apple以外は日本でよく使われる機種でも載っていないのが多い。

20180408_155003

それを確認するのは、Google プレイやApp StoreでTelloアプリをダウンロードして実際にインストールして正しい画面が現れるかどうかで判断できるかもしれない。
注意しなければいけないのは、左の画面で対象となっていてインストールできたとしても使えるとは限らない点である。


 

Screenshot_20180408154746

たとえば、Huawwi M2 8.0やASUS ZenPad 3 8.0 Z581KLのような DJI GO4が快適に動作するスマホよりは大きめのタブレットでもインストールができ実行すると左の画面までは進むがそこで停止してしまう。
この場合は実際には使えない。


 

Screenshot_20180408155731

正常に動作するスマホでは、左の画面のようなTelloとWi-Fiに接続するための表示が出て来る。


 

Screenshot_20180408155310

適当に操作すると場合によっては、左の操作画面が出てくるかもしれない。
もちろん、まだTelloを入手していない時点なので画面にTelloのカメラの画は表示されていない。

もし、これに隣の家の様子などが表示されていたら、たまたま隣の家でもTelloを手に入れて電源をいれたところで自分の方が先にリンクに成功してしまったということなのですぐにアプリを終了しないといけない。
デフォルトでは、電波の届くところにいる未接続のすべてのTelloとスマホのWi-Fiの設定画面から簡単に接続できてしまう。
これが嫌ならTelloを暗号化すれば良いはずだが、その場合は手元のTelloのスイッチを切るか電池を抜けば良いだけのことである。

ま、実際に問題になるのは、みんなで集まって同時に飛ばそうとするときなどだが、ちょっと注意すれば済むことである。

実際には使えないのにインストールされたように見えるタブレットなどでの問題は、バグとまでは言えないかもしれないが不適切な現象なので(原因は単純なことから日本語の環境の問題など色々考えられる)、将来は、ちゃんインストールできたらちゃんと使えるように改善されると期待しよう。
ともあれ現時点では注意が必要である。

実際に試した結果

2018/04/08現在
OSメーカー。機種名可否説明
Android 8.0 SONY XPERIA XZ1 SOV36 OK 文句無し
Andorid 7.0 SONY XPERIA Z5 SOV32 OK 文句無し
Android 4.4 LGE isai LGL22 画像はNG
操作のみ可
Android 6.0 Huawei M2 8.0 × いわゆるタブレット
インストールできてもちゃんと起動しない
Android 7.0 ASUS ZenPad 3 8.0 Z581KL いわゆるタブレット
インストールできてもちゃんと起動しない
iOS iPhone 7 OK 知り合いのiPhone
iOS iPhone 6 OK かみさんのiPhone
下手に触るとiPhoneの面倒見なければいけなくなるので
ちゃちゃっと確認のみ

いわゆるタブレット型ではiPad mini4のみが先のRYZEのホームページなどで確認されている。
ほぼ同じサイズのアンドロイド Zenpad 3などが使えない理由はわからない。多分ちょっとした問題だと思うがそのうち修正されることを期待しよう(もっともジョイパッドの位置など工夫しないと使い難いかもしれない)。

種類が少ないiPhoneの方が相性のトラブルは少ないようである。

筆者は、UNIXと言っておきながらお仕着せ感満載のAplleの製品にはなじめないので、どうしても必要なとき以外は、触らないようにしているので詳細はわからない


USB充電器

取り説には1.5A以上のUSB充電器を使えとある。
実はUSB充電器の規格は、好き勝手と良いくらいいろんなタイプがあってトラブルのもとになりかねないが、最近はUSBを使うデバイス側が賢くなって大概のUSB充電器で少なくとも事故が起きにくく、かつ、たとえ充電時間が掛かっても電源としてできるだけ利用しようというのがトレンドのようだ。
このためのUSB電源入力用のICも出ているので面倒なことは考えずにそのICを使えば、問題が発生することも少ないようである。

USBは、便利だが、この業界も規格を厳密に守るより長いものには巻かれることで賢く生き残ることを目指す方が多いようである。
Telloも、充電器を添付しないくせに、1.5A以上などという適当なことしか言っていないので、大概の充電器で事故なく使えることを期待されて当然である。
古い充電器を中心に電流の弱いものがあるのでパワーが強そうな新しいのを試すと良いだろう。
充電器に充電ケーブルを指すのでなく、充電器から直接充電ケーブルが延びているのは、古いタイプが多い。

USB充電ケーブル

USBはもともとは充電のためでなくパソコンと周辺機器をつなぐ汎用の信号線として作られた規格で、ついでにちょっとした電源も遅れるようにしたのが運の尽きで、今ではUSB充電ケーブルなどという元々の趣旨からするとわけのわからないケーブルも堂々と売られている。
もっとも使う方としては、当初の思惑などより使い勝手が良ければ良いだけの話で、勝手な使い方のせいで当初の思惑とは別かもしれないが、無くてはならないものになった、何やら人生の機微を暗示させる規格である。

TelloにちゃんとしたUSBケーブルでパソコンにつないでも、パソコン側は全く認識しないので、信号線は使っているとは思えないが、信号線にちょっとした細工をして電流の制限値を取得するとかいう方法も良く使われているが、付属もせず、キチンと指定もしていないので、どんなケーブルでも安全に使えることを期待して良いだろう(ただし、性能は安全の二の次)。

Cimg4213

ただし、コネクタの種類は決まっていて、Tello側はマイクロBという写真の左のような形状で無ければならない。
少し前までのAndroidのスマホのデフォルトの台形をしたコネクタである。(最近はCタイプと言うのがある)
ちなみに右側のコネクタが充電器に差し込む方である。

p> ケーブルの不良は意外と多いので注意したい。特に数年前の物は、こんな小さなコネクタ自体に無理があるんじゃないかと思うほど感心しないものが多かった。
ひどいものは発熱して溶ける場合もある。もし、コネクタが明らかに熱を持つ場合は交換した方が良い。


続く

RYZE Tello 初飛行まで その1

目次
RYZE Tello 初飛行まで その1 概要(このページ)
RYZE Tello 初飛行まで その2 必要なもの
RYZE Tello 初飛行まで その3 セッティング
RYZE Tello 初飛行まで その4 飛ばし方のヒント

脅威のトイドローン RYZE Tello DJIの飛ばし方

その1 概要

Cimg4183

1月11日に仮予約したTelloがようやくやって来た。
途中正式予約受付のメールを2日間見過ごすと、すでに予約は終了していた。
従って2回目の予約注文をけてからの分がようやく出荷されたようである。
なお、正式予約を受けて料金を受け取ってから15~20営業日という恐るべき日数が注文の時表示されていたはずとのこと。実際には10営業日弱で届いたので、知り合いの模型屋さんのように疾うに支払ったのに何の音沙汰も無いということよりはずっとましかも。
ま、結論から言えば、予備のバッテリーがまだ手に入らないとか、入手難の問題以外は、個人的には楽しい機体で満足している。

さて何回かに分けて、このTelloを間違いなく飛ばすまでの方法を説明しよう。




Telloの概要

RYZE社が製造し、高性能ドローン(マルチコプター)で圧倒的に世界ナンバーワンのDJIが販売する、機体に搭載した画像を見ながら飛ばすことのできるトイドローン(マルチコプター)である。
価格もトイドローン並みだが、DJIが提携するくらいだから性能は高いと期待されているものである。

なお、ドローンは無人航空機全般を指すのが普通の使い方だが、最近はマルチコプターだけを指す使い方も多い。
ここでは、ドローンと言えばマルチコプター、それも4枚ペラのクアッドコプターを指すことにする。

Telloの発音

物騒な名前だが、物騒な方はterrorで発音が違う。
スペイン語でテジョとかテヨとかいう人の名前らしいが、日本人には難しい読み方である。
RYZE社に聞くのが一番良いが、今は、とにかく早く作れ ってことに専念してもらった方が良いので、どうでもいいことを聞くのは止めにして「テロゥ」ということにしておく。
できるだけ舌を巻きあげずに発音することをお勧めする。

Telloの特徴

  • スマホで操作するカメラ付きのトイドローン。タブレットは相性がある
  • 実測飛行重量(プロペラガード付き)約89gで航空法の無人航空機規制の対象外
  • 無風の屋内では安定性抜群。屋外では無風を推奨とはいえ結構安定する
  • 軽いため危険性が小さく、また大型機よりもぶつかっても壊れにくい
  • 操作可能範囲はWiFiを使うため最大でも100m以下。電波が切れるとその場に着陸する
  • 最大高度は10mで打ち止めされる
  • 最大飛行時間は13分。大人しく飛べば実際にそれくらい飛ぶらしい
  • 飛ばすには相性の良いスマホと、USB充電器と充電ケーブルが別途必要となる
  • GPSは付いていないのでホームリターン機能は無い。電波が途切れるとその場に着陸する(らしい)
  • 宙返りなどができるが現時点のアプリでは別画面を開いての操作になるので飛ばしながら自由に宙返りさせるということはデフォルトのアプリではできない。
    ただし、アプリは自分で作れるらしいので自分で作るか、そういうのが出て来るまで待てば良さそうである。
  • スマホにブルートゥースなどで連動させるスティックやボタン式のコントローラーが別売である。
    iPhone用はまあまあの評判のようだが、Android用の他メーカー品は評判が良いのがまだないようだ。
    もっとも、おじさんたちほど若者はスマホの操作を嫌がらないかもしれない
    おじさんでもスマホの操作は難しいと悲鳴を上げるようなひとは稀だろう

安定性

トイドローンは、ちょっと前の、こんなの誰が飛ばせるんだ、というようなものしか知らないが、最近にしても、これだけの安定性を持つものは稀であろう(半年先はわからないが)。
DJIが協力しているという時点で、安定性が抜群だと思い込んでしまうが、もちろん大きさと価格による制限は存在する。
Phantomのような、どこでも安定させてみましょうという意気込みまではなく、GPSも地磁気センサーもなく、衝突防止装置も無い。
またジンバルは電子的にぶれに合わせて影像を切り取る方法なので、さすがにメカ式の滑らかしには及ばず、ときどきカクカク映像が飛ぶ(ファームウェアの改良で良くなることを期待したい)。
またカメラを上下に振る機能もない。

しかし、Phantomにはまねのできないのが家の中での飛行である。
Phantomも衝突防止装置を切って無理すれば家の中で浮かべることはできるが、これを、楽しめるような人は、常人の神経を持ち合わせていないか、豪邸に住んでいる人だけである。
その点、Telloは、狭い家でも気軽に楽しめる。
頭の上に落ちても飛ばしてる人間にとっては全く痛くないだろうし、壁にぶつかってもボヨヨ~ンと跳ね返されても、浮かんでいる。
ぶつかったときにガードの隙間に何かが入ってプロペラに当たると、すぐにそれを検知してモーターが止まるようで真っ逆さまに落ちるが、床に落ちてもプロペラガードなどでボヨヨ~ンとなるのか、簡単には壊れない。
仮に怖いかみさんが家に君臨していてもいても、おべっかを上手いこと使えば、家を追い出されずに済むだろう。

Telloは、また屋外でも楽しめる。
強い風があると、(少なくとも現時点では)離陸した瞬間恐ろしい勢いで流されるが、風に向かって静止させる操作が的確にできれば斜めになって風に対抗しながら健気にホバリングしてくれる。
ただし、失敗すると、そのまま電波が届かなくなるところまで流されるようなハメにあうので、そこが川の中だったり、怖いおじさんの家だったりするとひどく後悔することになる。
屋外で飛ばすのは、少なくとも操作の向きを間違えずに行えるか、せめて着陸させる操作を遅滞なく冷静に行えることができるように訓練した後が良い。

墜落時などの安全性

Telloのモーターのアームは、意外としなやかなので、プロペラガードと相まって、墜落にも強いし、頭の上に落ちてもほとんど痛くないない軽さ以外の理由になっているようだ。

航空法では200g未満は、主な規制の対象外(原子力発電所、指定の空港など重要施設の飛行禁止は適用。国会もちゃっかり重要施設に入っている。ついでに道徳教育は国会からしてもらいたいという声・・・以下略)だというのも当然だと思える機体である
従って、住宅地であっても、特に禁止されていなかったり、ドローン恐怖症の人がいなければ、キャッチボールが許されるような場所などで飛ばすことが可能である。

キャッチボールと比べると危険性は低く、せいぜいテニスボールくらいの危険性だと思うが、怖いと感じる人は理性で怖いと思う人ばかりでなく脳内で怖いと思うのである。
実際の被害は、消費されたエネルギー量を時間で微分した値に基づくなどとなまじ理論を持ち出すと、理解力が無い人とは話が紛糾するだけなので、そういう相手にはぶつけた時はひたすら謝ってから、被害の程度を問いただす方が良いだろう。その方が痛く無かったのに速く気がついてくれる場合が多い。

Cimg4211

位置の固定や高度は、底部についたVision Positioning Systemで行っているようだ。
仕組みは良くわからないが出目金の目のような2個の赤外線ユニットで左の方から赤外光が放射されているので、右側で受光して距離を測っているのだろうか?
真ん中は小さいが、マルチコートしたようなレンズらしきものが見えるので小さなカメラモジュールかもしれない。


詳細はともかくこのモジュールで高度と位置決めを行っている。
そして、ジャイロと加速度センサーのデータを勘案して安定した飛行を実現している。

操作距離

操作距離は、国内のWi-Fiの制限から最大で100m。タブレットやスマホはWi-Fiはネットワークの接続に必須の機能で、画像を無線で送る機能としては充分な能力を持っている。
Wi-Fiha2.4GHz帯と5GHz帯があるが、国内では気象レーダーとの干渉を避けるため、屋外の使用はWi-Fi5GHz帯4バンドのうち比較的最近追加されて5.6GHzのW56しか許可されていないので、通信の信頼性を考えるとドローンで使用できるのは2.4GHz帯だけである(DJIのドローンのWi-Fiではない通信装置でも日本向けは5GHzは使用できないようになっている)。

見通しの良い屋外も含めて5GHzの方が混信は少ないだろうといわれているが、5GHzを使用しているドローンは現時点では国内では違法になる。

2.4GHz帯は、街中では無線LANなど多くの機器が使用しているので到達性は低い。屋内では距離が近いので問題になることは少ないが屋外では問題になる場合が多い。
野っぱらのような屋外でも、100mは理想値で実際には30m程度から不安定になるのでせいぜい50mと考えた方が良いかもしれない。

画質

画質は、当然ながらそれなりである。カメラの揺れに対しては、物理的なジンバルを持た広く撮影した中から、ぶれた分だけずらして取り込むような画像処理だけでブレを吸収しているため安定性は、まだまだ物理的なジンバルに劣る。現時点では画が瞬間的に飛ぶ現象がときどき発生している(ファームウェアで改善できる可能性はある)。
画像は720Pという規格のかなりビットレートの荒い画をスマホ側で記録する方式である。
撮影という用途では、それなりでしかないが、航空法の対象外のメリットである無許可でFPV(画面を見て操縦できる)の用途には充分である。ただし、スマホの能力によっては画像がときどき止まるような現象が発生する。
現時点ではトイドローンとしては充分に満足できる画質で最高クラスだと思う。

なによりも、Telloなら画面を見ながら撃墜ごっこができる。遅延が 瞬間的な遅延がでDJIの1080Pや4Kよりは劣るハイビジョンぎりぎり規格できれいな画を撮ろうとするには苦しいが、送られてくる映像を見ながら操縦するには十分だろう。飛んでる間は細かい景色など眺めている余裕はあまりないのである。

お勧めしたい人

明確に撮影を目的としない、画像を見ながら飛ばすことのできるドローンを欲しい人には、最優先の選択肢であろう。
安定性は、トイドローンと言ってバカにできない素晴らしさで、飛ばす楽しさは、Phantom以上である。
初心者にも勧められる。
特に若い人には、トイラジといってもいい加減なトイラジとは一線を画す、ちゃんとしたラジコンなのにトイ感覚で気楽に楽しく飛ばせるものとして、普通のトイラジよりは少し高いがお勧めする。
これからラジコンを始めるとこれが当たり前のようにしか思わないかもしれないが、ラジコン航空機としても優秀な機体である。

まっとも半年もすると、これに近いトイラジがいくつか出て来そうな予感がする(残念ながら日本では無理だけど)。
なお、これを悪い用途に使おうとするのは、簡単に足がつくので止めた方が良い。
飛行音はそれなりにするし、隠し撮りで使おうとするには電波が途切れて機体が取り残される可能性が高い。
そうすると機体のシリアル番号から購入者を特定するのは難しく無いだろう。

続く

 

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