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2018年6月30日 (土)

リチウム充電池の充電(火事の実例)

リチウム充電池は、スマホやデジカメなど民生品にもたくさん使われているが、ラジコン、特にモーターを使用した空もののラジコンには無くてなならないものである。

しかし、ラジコン用は、民生用の電池と同じつもりで扱うと恐ろしいことになる。
スマホやデジカメの民生用のリチウム充電池とラジコン用の電池は原理的には変わらないが、安全ということに関しては、民生用のものは使用する電流も容量も小さいということもあり安全性を確立しやすい。
もちろん、使用する人もラジコンのような自己責任を強要される人でなく善良な普通の市民なので、通常の使い方と予見できる異常な使い方に対して十分な安全性を持っているはずである。
PSE法の規制の対象の場合は、JIS(IEC国際規格も同じ)に定まられた厳しい安全性をクリアしているはずである。
ラジコン用はこの規制の要件を満たさない(ポリマータイプなのでエネルギー体積密度が基準値以下)ので、法的な規制は全くない。
だからといって安全であるわけは全くない。
ちなみに、最近多いモバイルバッテリーのniteが行った発火試験の動画を示す。


特にモバイルバッテリーは高容量のものが多いため、事故の多発を受け、モバイルバッテリーもPSEの規制の対象に急遽なった。
中には、信じられないような作りで発火して当然の製品もある。

ラジコンで使われるリチウムポリマーの場合は、可燃性の電解液がゲル化されているため液の噴出などは起きにくくまたセパレーターなどの構成材料が適切であれば発熱が制御不能なほど急速に発生することも少ないかもしれないが、だからといって、発火したモバイルバッテリーのようにいい加減な作りになっていないとは言い切れない。

保護回路など一切ないので使う人が自己責任で安全な使い方をすることで安全が守られるという製品である。

Cimg8184

写真は、単にちょっと墜落しただけで発火したラジコン用のLiPo(リチウムポリマー充電池)の例である。

(墜落した原因は飛んでる最中の一瞬のよそ見で他の機体と見間違えている間に真っ逆さまに墜落したという、ちょっとどころか、相当に恥ずかしいミスによる墜落です。 m(_ _)m
ま、ラジコン飛行機は、こんなことがあっても第3者への被害が起きそうもない十分安全な場所で飛ばさなければならない。



(トイでない)普通のラジコン飛行機用の電池は(車用は本格的なものは同じだろう)電流は何十アンペアも流す過酷な使い方で、数々の犠牲者の上にリチウム充電池の進歩に貢献したのは、間違いないと思うが、昔よりは材料の進歩で安全になっているとは思うが、それでも民生用に比べれば簡単に発火する自己責任で安全を確保しなければいけないものである。

注意:
リチウムウ充電池には種類が幾つかあって、ここで問題にしているのは民生品やラジコンで使われている主にコバルト系と呼ばれる充電池でポータブルに適した形状のものである。自動車や鉄道車両用など(自転車用も?)では、違う基準があるはずである(すいませんそっちはよく知りません)。


LiPo充電中に家を全焼させた例

P6014951a

実際に家を全焼させる例を説明する。
ま、家を燃やした原因は、ごうつくばりの本人の責任ではある。

(写真はWikipediaのものでこの事故とは無関係)


なお、この例は全焼のあと、火災保険で保証が降りたにも関わらず、LiPoを輸入した模型屋と、充電器を輸入した模型屋さんを訴えたため、何が原因か推測して、少なくとも全焼した人の主張は認められなかった例である。
知り合いの模型屋さん(師匠の模型屋)から充電池(LiPo 3S2200mAh)と充電器を買ったYさんが、充電中に家を全焼させた。
説明書にある通りに注意していれば少なくとも火が出た時点で気がついたはずとはいえ、火災保険がちゃんと降りたということで、一体どんな充電方法だったんだろうと気の毒にとか思っていたら、突然、弁護士3人の名前で降りた火災保険と同額の8000万円の損害賠償を請求してきたらしい。

PL法による訴え

いわゆるPL法という製造物責任法による損害賠償である。
訴えるなどというような気配をっこれっぽっちも見せず火災保険もおりたということで一安心していた師匠は、金額にと、あくどさにびっくりして、これはもっと悪どい人間を探さないといけないと思って自分に声を掛けて来たらしい ^^;

PLではメーカーや輸入業者が訴えられる対象だが電池は自分で輸入し、充電器は他の模型屋さんが輸入したものでそちらはPL保険に入っていたので、お金も弁護士の心配もいらない。
師匠は、使い方を誤れば簡単に発火するものを輸入したのにPL保険に入っていなかった。

Yさんの訴えを見せてもらうと
「この店で買った充電器と充電池の不備のせいでちょっと目を離した30分ほどのあいだに天井まで火が燃え上がってしまって家を全焼した。製品の欠陥のためであり、8000万円払ってけろ」
、とかいうようなことである(資料は廃棄したので正確な内容とはちょっと違うだろうがエッセンスは正しいと思っている)。

ま、保険全額貰ってといて自分のミスが全くないと思うほどめでたい頭しているわけではないだろうから、少しでも多く踏んだくれればと思って弁護士も3人の連名にして少しでも脅しになればと思ったのかもしれないが、人の良い師匠は動転して、良い弁護士が必要だと騒いでいる。
ちょっと調べてみると、如何にも怪しい使い方をしていそうな話なので、下手に出るより真っ向から立ち向かった方が良いだろうと、知り合いの中から一番良さそうな弁護士を探して一緒に相談をした。
ま、できれば争い事などせずに手を打った方が良いという自分の儲けを考えなくても十分にやっていけてる弁護士で、賠償額の要求も大きいし、電池や充電器の実績からも注意事項をももらなかったせいで被害が拡大したのはほぼ間違いないと思うわれるので、こちらで原因を調べるのを手伝うことでその状況をみて対応していくことにした。
PL法では商品に欠陥が無いことを訴える方でなく訴えられたメーカーや輸入業者が証明しなければならない。
メーカーが都合の悪いデータを隠されたら消費者側はそれを覆すのは困難だか、弱いものを守るための良い法律である。
メーカーや輸入業者は、PL保険に入って万一のときに消費者を守れるようにすることが国からも奨励されている。
事故はどんなに気を付けていても、予見できない場合はあるので、そのときPLに入っていれば零細業者でも潰れることなく補償もリコール時の回収費用も出せて社会的な信用も上がる。
また、よりよい製品を作る上での勉強だと思えば良い。
ただし、間違った使い方までは補償する必要はない。ま、解釈の問題で揉めることはあるけど。


不正を暴く

さて今回の場合は、消防から現場検証の資料を貰いYさんの言うように正しい使い方をしていたのか最初に調べた。

燃え残りのLiPoの残骸は、中から出火したと思われる見事な燃えっぷりで、大きさや3セルに別れているように見えることから、店主が販売した3S2200mAhのなれの果てと見られないことはない。一応、よそから買ったものかどうかについては問いただすが、販売したものであると想定して考えた方が良い。
見事に焼けているものが売ったものでないと証明するのは結構費用がかかる。

さて肝心な充電器が見つからない。師匠が販売した充電器は、定評の高い、しっかりとしたものでアルミのケースごときれいに肺になったとは考えにくい。
充電器の方の弁護士は、見事なその充電器の安全装置についての説明の資料を作ってくれて、師匠が販売したどんなリチウム充電池でも正しく使っていれば発火するはずがないと結論付けてくれた。

一方、Yさんの申し立てによれば柳行李の上にタオルを置きその上に充電池を置き少し離れた台に充電器を置いて充電したことになっている。
これは現場検証結果と一致していないこともないが、充電器に関しては灰になるか消化活動中に行方不明になったということである。
しかし、現場検証をした消防士はもし実際に合ったのなら必ず見つけていると確信を持っている。
そこでその他の燃え残りを検討してみた。LiPoの残骸からは、ワニ口グリップの付いた電線が伸びている。
充電器が無くなってワニグチグリップ付きの電線が残っているというのは如何にも怪しい。
大体この充電器は入力側としてバナナプラグが付いているのでワニグチグリップを使うというのは不思議である。
さらに小さなアルミのケースが見つかった。
中は焼けて何のための回路か判別できないが何らかの回路が入っている。
一体これは何だろうということで、まさかこれで充電したいたのではと話していたら、YさんはNi-MHの充電池を持っていて、それを充電するのに群馬の模型屋さんだかから手製の充電器を購入したらしいという話を師匠が思い出した。
その群馬の模型屋を探し出し、確かにNi-MH用の充電器を持っていることを確認しそのものである可能性は十分高いということが分かった。

ここまでくれば、なぜ事故が起きたか仮説を簡単に組み立てることができる。
Ni-MH用の充電器で日ごろ充電を行い、電池にダメージを与え続け、あろうことか燃えやすいものの上でやってはいけない危険なNi-MHの充電をいつものように行い、しかも目を離したために異常が発生してもすぐに対応することができずに発火させたのだろう。
指定の充電器さえ使っていなかったということになる。
(LiPoがなまじしっかりしていると、多少の危険な充電でもすぐに発火せずにそれなりに充電できるのである)
全てこれで符合する。
充電器のPLの弁護士もこちらを応援するように、うちの充電器をちゃんと使っていたらこんなことが起きるわけがないという抗弁の書類を作ってくれた。

そこで我々は、順に質問をこしらえて、裁判で質問していった(自分は裁判には行かずに技術的な点からロジックを組んでサポートしていただけ)。
まず普段は充電は安全な、離れで行っておりNi-MHも充電器もそこに置いてそこで充電していたという証言を引き出した(ちゃんと普段から安全には気を使っているとでも言いたいようにまんまと言ってくれたらしい)。
離れは母屋と少し離れているので火事でもたいして燃えていないので、Ni-MH充電池とそれ用の充電器を提出するように頼んだ。
当然充電器は出てくるわけがない。
次にその充電器は、群馬の模型屋から手に入れたやつで燃えた充電器のそばで焼けてたものじゃないかと追及した。
というようなことを何回も繰り返し、しまいには期限が来ても回答できずにさらに期限を延長するということになり、まともな返答が一切できずに時間だけが経って行くということになった。

結審 判決 確定

こういう裁判では実際に被害に合われた事情を考慮する場合もあるので油断はできないと次々に質問を追加していき、回答は一切出なくなった。
3年くらいで、もうこれ以上裁判を続けても新しい証言は出ないということで和解勧告も出ずに結審になり、Yさんの訴えは全て却下する判決がおり、控訴もしなかったので(ま、質問に全く答えられなかったので、これで控訴するというのはよほど暇な弁護士に言いくるめられた時くらいかも?)確定した。

完全に勝ったとなると人の良い師匠は、3年もの心配しながら過ごした時間への思いがこみ上げて来たようで、「とんでもない奴だ、逆に訴えてやる」、と怒る余裕も出て来たが、訴えるなら最初にときにしないとまた何年も時間がかかる上に、たいした費用も取れるわけじゃないから喜ぶのは弁護士だけだと、当の弁護士にも宥められた。
ま、向こうの弁護士と違ってまともな話である。

Y氏もこんな腹黒い強欲だから碌な人生じゃないだろうと思っていたら、ラジコン仲間からは総スカンのようだが、商売の方では、ローカル限定だが、うどんの製麺業とうどんチェーン店は好調なようで次々と店を増やしているようである。

ま、これくらい腹黒くないと儲かる商売はできないということなんでしょうかね。
人の良い師匠が模型屋で儲からずに保険業で生活を支えているのと好対照である。

って待てよ、保険屋でもあるのに何でPL保険に入ってなかったんだ! という落ちでした ^^;
(そうだ、一度食べに行こう。師匠抜きで、ゴキブリ隠し持たれたりするとややこしくなるので)

なお、今はちゃんとPLに入っているし、知り合いの模型屋さんにもPL保険を勧めているはずなので変なこと考えても腕のいい専門の弁護士にコテンパンにやられると思っておいた方が良いでしょう。
おそまつ、(お囃子の音)テケテンテンテン


さて、この教訓から次の重要なことを改めて確認しよう。


充電時の教訓

こんなことをすると火事になり易い
 

  1. LiPo用の充電器を使わなかった
    このためLiPoが発火するような条件で充電してしまった。
  2. 燃えやすいものが近くにある環境で充電した
  3. 充電中に長時間目を離したために発火する前兆が掴めず大きく燃え広がってからの発見となった

  これらのことは全て守らなければならないが、どれかひとつでも守っていれば被害が小さく済む可能性が出てくる。

1.正しい充電をする。

リチウム充電池は過去の数々の事故から、安全な充電のための不文律ができている。
ラジコン用として、その最大のものは、

1セルあたり4.2Vを超える電圧を掛けてはいけない。

過去の数々の苦い経験からリチウム充電池(LiB)は、4.2Vを超えて充電してはいけないというのが日本が中心になって作ったLiBの国際規格である。
もっともこれは法律ではないのでラジコン用のLiBがこの国際規格の安全な条件をすべて満たして作っているかどうかは怪しいが、この掟を破るのはいつ発火してもしても良い覚悟でやらなければならない。
LiBの充電は定電圧・定電流法(CC・CV法)というセルあたり4.2Vを絶対に超えないように(誤差を考慮すると4.25V)まず電圧で制限を掛け、次に安全な充電電流以下になるように制御するとい、高い電圧の測定精度と高度な充電方法が必要である。
これがスマホの充電なら、充電回路はスマホに内蔵されており、IC化でもっと高度な管理を行う(コストも量産化で安い)ことでいい加減なUSB電源でも安全に充電できるようになっているし、万一のときでも、電池自体に保護回路が付いていて過電圧などを防ぐことになっている。
しかし、ラジコン用のは電流が大きすぎてそんなものはひとつもない。

使用するものがきちんと充電器を選んで自分で正しくセットしなければならない。

YさんのようにNiMH用充電器などを、たまたま充電できたからそれを使うなど、毎回黒ひげ危機一髪ゲームをやっているようなものである。

なお、最近は充電電圧に関しては4.2Vでないものもある。ハイボルテージ(LiHV)などと呼ばれるものでシリコングラフェンとかいう材料にちょっと工夫したものがある。
JISや国際規格にも絶対に4.2V以上が駄目だと書いてあるわけでなく、十分な安全性の検証を行った上でなら認めてやっても良いぞとある。
従来のものより性能が良い可能性は確かにあるが、従来と同じ電圧で充電すれば、劣化の度合いがヘラ去る可能性もある。
LiHVを1個持っているが、高い電圧にするのは怖いので(間違って従来のをこれで充電しかねない。特に自分は間違える自信?がある)で、劣化が少なく長く使える電池として今は使っている。

許容電流以下で充電する
放電電流には制限があってラジコン用では30Cとか40Cとか、スマホ用などでは信じられないような電流を流す。そのため、寿命は短くなって当然である。
Cという単位は、定格容量であるmAhの時間を除いた、1時間放電できる電流である。2200mAhで30Cなら66000mA=66A流せる。
もっともこの値はいい加減で、何を根拠に決めているのか不明な場合が多い。
単にちょっとの間それだけ流して良いのか、連続して流して良いのか、その間なのか、明確に記してあるものは滅多に見ない。
瞬間最大電流という、電子パーツの定格を真似したような良くわからない表示をする場合もある。
昔のように、保存中に突然発火するという事故は多くは無いようので飛ばした直後に温度が異常に熱くなく、少々熱かった場合でも順調に冷えれば、良いと考えれば良いのだろう。
リチウム充電池は温度が上がるような使い方には弱いと考えた方が良い。

さて、ここで問題とするのは充電電流である。
一般に許容充電電流は、ラジコン用の場合それほど電池に明確に書いてあるわけでなく、一般に1C充電が勧められる。
放電電流が30Cや40Cという高い値なのに、なぜ1C充電なのだろう。
過大な充電電流は電池の中身を化学的に破壊しそうだというのはなんとなく納得しやすい。
放電と充電では可逆反応だが放電は放熱反応で、充電は吸熱反応だから温度が上がらなければ充電電流を増やしても良いかもと考えるのも一理ありそうである。
ただし、実際の事故は墜落などの衝撃のあったあとと同じように充電中にもよく起きる。
突然、限度を超えて発熱するような感じで、劣化伊sた電池で実際に2回ほど経験している。

このときは自分のいつもの2C充電だが、1Cにしていれば発熱が起きなかったかもしれない。

自分が2C充電が標準なのは、充電時間の端周の効果が大きく、その効果が大きいのは2C充電くらいまでであるから。

1c2c_cccv1

この図は、実際の3S2200mAhの1Cと2Cのほぼからの状態からの充電の違いを示すグラフである。
左のメモリがAで右がVであり、赤色は1C,青色が2C充電である。
定電流、定電圧充電の特徴である、電圧が4.2V/セル(3セルなので全体では12.6V)に上がるまでは設定した電流が流れ、電圧の上限に達すると、許容電圧を超えないように電流を絞っているのがよくわかる。

この図では、青色の2C充電が赤色の1C充電の約1時間10分に対して約40分とかなり短くなっている。



1c2c_cccv2

この図は、前の図のお尻を合わせて充電電圧の代わりに充電容量を表示させたものである。
お尻を合わせると何Cで充電しようと、最後は定電圧なので同じようなカーブを描くのがわかる。
容量0%から充電すると、充電時間に差が出るが、定電電圧になる最後の方は充電カーブが同じなので、残容量が高いほど充電時間に差が出ないのが理解できる。
この電池は、高性能な内部抵抗が0.01Ω程度の電池なので最後に重なり合う部分が短いが、内部抵抗が大きくなるほど、最後の充電電流は寝てくるので充電時間に差ができにくくなる。


このことから、無暗に充電電流を増やしてもその電流で充電できる間はわずかであり、危険が増える割には時間短縮にならない。
ここら辺は、自己責任で決定し、充電中は発熱に十分気を付けている必要がある。
自分の場合は、充電中に触って温度が上がっていないのを確認するのは習い癖である。
充電は吸熱反応なので少しでも温度上昇が見られたら内部で問題が進行していると考えた方が良い。

 

2.安全な場所で充電する

火が出ても、安全な場所で充電するということである。
ラジコン用のリチウム充電池は樹脂の袋で封をしたポリマー型がほとんどすべてだろうから、冒頭のniteの動画ほど激しく中身が噴出することは少ないと思うが、それでも大きな炎が出ても安全な場所で充電すべきである。
もちろん屋外が良いが、瞬間的な炎は、燃えやすいもの以外は意外と火がつかない場合が多いので、高く燃えにくい天井と近くに燃えやすいものが無いところで自己責任で充電している。もちろんそれで火事が起きても自己責任である。(充電器の電圧が表示以上に出ていたりするとPLの対象になりうるとは思うけど)

 

3.充電中は目を離さない

万一発火しても慌てて蹴飛ばしたりして被害を広げないこと。
多くの場合、火はすぐに小さくなってしばらく燃えるようなので、落ち着いて火が広がらないように燃えるものが近くにないことを確認すれば、被害は広がらない場合も多いだろう。

また、ほとんどの場合、発火する前に、音や臭いで異常が感じられる場合が多い。
最近の安全な材料では、音も臭いも何の予兆もなく、いきなり炎を吹き上げるような、LiPoは少ないと思う(保証はもちろんできないが)。

保存中の発火

昔は、保存中の発火することが結構あったようでリチウム充電池の悩ましい問題だったらしい。
ポリマー型では、何時間も経ってからの発火は最近は少ないかもしれないが、それでも、つい最近も、本人いわく 「何も悪いことしていないのに使用した後しばらくしたら溶けだした」 という話があった。

多分、その前に墜落か、単体で落とすか傷つけるかしているのだと思うが、飛行後、煙が出て溶けだしたということは、間違いない。

墜落などで傷ついてすぐに発火しないのは、内部で発生した小さなショートがセパレーターなどの周囲の絶縁を徐々に破壊して行くときに最初は小さなショートなので外側まで熱が伝わる前に冷やされてわからないほどのものだったのが、徐々に広がるにつれ発生する熱量も拡大しある時点で発生する熱を冷やすことが間に合わなくなり温度があがり、温度が上がることで絶縁がさらに早く破壊されという連鎖に変わり爆発的に熱が発生して発火すると考えられる。
セパレーターは熱で損傷を受けても導電しないように自動的に絶縁するような材料がとっくにできているので、こういう事故は減らなければいけないが、実際にはまだ起きている。

自分の使っているLiBがこういう事故が起きるタイプかどうかは判断するのは非常に難しいので、やはり保管は安全な場所にすべきである。

スマホやデジカメ用の厳しい基準に耐えた電池(ポリマーでないのが多いが)でも傷がついてから時間が経ってから発火する例がある。

ラジコン用ならもっと信用しない方が良い。


Cimg4298

自分は、容量のバカでかいもの、滅多に使わないものは弾薬ケースに入れて保管している。
幸い、入れていて良かったという目には合っていないが、電池1個くらいの値段で大小2個買える程度のもので安心が買えるなら安いものである。


もっとも普段使うものは、これよりも強度が落ちるアルミのケースに入れている。
平べったいので移動のとき中の電池に衝撃が伝わりにくいからと呑気な理由を付けているが、普段から電池の劣化については気をつけているので(面白い劣化を見つけたらすぐに調べるつもり)良いということにしておこう。
もちろん自己責任だけど。

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